判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合に限り許され、それ以外の事項についての再抗告は不適法として却下される。
問題の所在(論点)
高等裁判所の即時抗告棄却決定に対し、民事訴訟法等の特別の定めがない場合に、最高裁判所へ再抗告を申し立てることの可否。
規範
最高裁判所への抗告申立は、憲法施行に伴う民事・刑事訴訟法の応急措置法等の特別規定により、訴訟法上特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合を除き、これを行うことはできない。
重要事実
盛岡地方裁判所が仮処分中の物件につき換価命令を下し、これに対する異議申立てを却下した。抗告人は仙台高等裁判所に即時抗告を申し立てたが棄却されたため、さらに最高裁判所に対して再抗告(本件抗告)を申し立てた。
あてはめ
本件抗告は、憲法施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律第7条等、最高裁判所の権限に属するものとして明文で定められた抗告事由のいずれにも該当しない。したがって、訴訟法上の適法な申立てとしての要件を欠いている。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
新憲法下の裁判所法・民事訴訟法体制における最高裁判所の終審権の範囲を確認したもの。特別抗告(民訴法336条)等の明文規定がない限り、高裁の決定に対する不服申立ては制限されるという実務上の大原則を示す。
事件番号: 昭和25(ク)19 / 裁判年月日: 昭和25年3月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事訴訟法等において特別に最高裁判所への抗告が許容された場合に限定される。したがって、憲法違反以外の事由を理由とする抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告理由において原決定が憲法に適合するか否かにつ…
事件番号: 昭和22(ク)8 / 裁判年月日: 昭和23年1月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】下級裁判所の決定または命令に対して最高裁判所へ抗告ができるのは、憲法違反を理由とする場合等、訴訟法が特に定めた場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、仮処分執行取消申立事件における申立却下決定に対し、札幌高等裁判所へ即時抗告をしたが、同裁判所から抗告棄却の決定を受けた。抗告人はこれを不服とし…
事件番号: 昭和23(ク)11 / 裁判年月日: 昭和23年5月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合に限り、適法に申し立てることができる。 第1 事案の概要:抗告人が、特定の訴訟手続に関して最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件は、日本国憲法施行に伴う民事・刑事訴訟法の応急的措置法等により、特に最高裁判…
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…
事件番号: 昭和26(ク)116 / 裁判年月日: 昭和26年9月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、特別の定めがある場合に限られ、その理由は原決定の憲法判断の不当性に限定される。単なる民事訴訟法等の法令解釈の不当を主張するものは、実質的に憲法違反の主張にあたらず不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、仮処分手続における旧民事訴訟法750条…