判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合に限り、適法に申し立てることができる。
問題の所在(論点)
法律に特別の定めがない場合に、最高裁判所に対して直接抗告を申し立てることができるか。抗告の適法性が問題となる。
規範
最高裁判所への抗告申立てについては、民事訴訟法又は刑事訴訟法の応急的措置に関する法律等に基づき、法律上特に最高裁判所の権限として規定されている例外的な場合に限定される。
重要事実
抗告人が、特定の訴訟手続に関して最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件は、日本国憲法施行に伴う民事・刑事訴訟法の応急的措置法等により、特に最高裁判所の権限に属するとされた事項には該当しなかった。
あてはめ
本件抗告は、民事訴訟法等の応急的措置法に定める抗告のように、訴訟法上特に最高裁判所の権限に属するものと定められた事項ではない。したがって、最高裁判所を申立先とする抗告の対象となる要件を満たさない。
結論
本件抗告は、不適法な申立てであるため却下される。
実務上の射程
裁判所法や民事・刑事訴訟法等の制定・改正過程における過渡的な判断であるが、最高裁への申立てが法律上の根拠(特別の定め)を必要とするという上訴制度の基本原則を確認する際に引用される。
事件番号: 昭和25(ク)47 / 裁判年月日: 昭和25年5月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に定めた場合に限られる。民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断を不当とする理由(旧民訴法419条の2)が必要であり、単なる法令違背を理由とする抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案で…
事件番号: 昭和22(ク)8 / 裁判年月日: 昭和23年1月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】下級裁判所の決定または命令に対して最高裁判所へ抗告ができるのは、憲法違反を理由とする場合等、訴訟法が特に定めた場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、仮処分執行取消申立事件における申立却下決定に対し、札幌高等裁判所へ即時抗告をしたが、同裁判所から抗告棄却の決定を受けた。抗告人はこれを不服とし…
事件番号: 昭和25(ク)26 / 裁判年月日: 昭和25年5月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、更に抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所がなした決定に対し、旧民事訴訟法411条を根拠として更に抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所がなした決定に対して、更に抗告を申し立てる(再抗告等を行う)ことが認められ…
事件番号: 昭和24(ク)3 / 裁判年月日: 昭和24年2月11日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に許容されている場合を除き、申し立てることができない。法律の根拠を欠く最高裁判所への抗告は不適法であり、却下されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、訴訟法上の具体的な根拠規定に基づかずに、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。なお、具体的にどのような原決定…
事件番号: 昭和25(ク)57 / 裁判年月日: 昭和25年7月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、原決定に憲法違反の判断が含まれる場合に限られ、通常の再抗告規定は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級審の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告状の記載によれば、その抗告理由は原決定における憲法適合性の判断を不当とするも…