判旨
最高裁判所への再抗告は、憲法違反を理由とする場合、または訴訟法において特に認められた場合に限定される。それ以外の理由による抗告は、不適法として却下されるべきである。
問題の所在(論点)
下級裁判所の決定・命令に対し、憲法違反や訴訟法上の特則がない場合であっても、最高裁判所への再抗告が許容されるか。
規範
下級裁判所の決定および命令に対して最高裁判所に再抗告をなし得るのは、①憲法違反を理由とする場合、または②訴訟法において特に認められた場合に限られる。
重要事実
抗告人は、下級裁判所がなした決定または命令に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、当該抗告の理由は憲法違反を主張するものではなく、また、訴訟法上当該抗告を認める特別の規定も存在しなかった。
あてはめ
本件抗告についてみると、その抗告理由から憲法違反を理由とするものではないことが明らかである。また、本件のような抗告を認める訴訟法上の規定も存在しない。したがって、再抗告の許容要件である上記①および②のいずれも充足しないといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所に対する不服申立ての門戸は、憲法問題または法律上の特則がある場合に厳格に限定されており、単なる事実誤認や法令違背(憲法違反に至らないもの)を理由とする再抗告は不適法とされる。答案上は、特別抗告や許可抗告の要件を検討する際の前提となる、不服申立ての限定性を示す法理として参照し得る。
事件番号: 昭和33(ク)262 / 裁判年月日: 昭和33年10月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許された場合に限られ、民事事件においては民事訴訟法(旧法)419条の2所定の憲法違反等がある場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、憲法違反を理由として最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には単…
事件番号: 昭和28(ク)258 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、特別抗告(旧民訴法419条の2、現行336条)の場合に限られ、抗告理由は憲法違反の判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、原決定における憲法適合性の判断を不当とするもの(旧…
事件番号: 昭和26(ク)200 / 裁判年月日: 昭和26年12月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定に法律等の憲法適合性に関する判断の不…
事件番号: 昭和25(ク)142 / 裁判年月日: 昭和25年12月25日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする特別抗告のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、その抗告理由は、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合する…
事件番号: 昭和25(ク)84 / 裁判年月日: 昭和25年9月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許された場合に限り認められ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由は、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かについてなされた判断を…