判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において最高裁判所の権限に属するものと定められた場合、または憲法違反を理由とする場合に限り許容される。
問題の所在(論点)
訴訟法上に特段の定めがない場合において、憲法違反を理由としない最高裁判所への抗告申立てが適法か。
規範
最高裁判所に対する抗告申立ては、訴訟法(日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律等)において最高裁判所の権限に属するものと特に定められた場合を除き、原則としてこれをすることができない。ただし、原決定における憲法判断の不当(憲法違反)を理由とする場合は例外的に許容される。
重要事実
抗告人は、下級審の決定に対し最高裁判所への抗告を申し立てた。しかし、当該抗告申立書には、原決定においてなされた憲法上の判断が不当である旨の主張は含まれていなかった。
あてはめ
本件抗告についてみると、抗告申立書によれば、原決定における憲法上の判断の不当を理由とするものではない。また、他に本件のような抗告を特に最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた訴訟法上の規定も存在しない。したがって、本件抗告は最高裁判所が受理すべき適法な申立てとしての要件を欠いているといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
民事訴訟における特別抗告(民訴法336条)や許可抗告(同337条)の制度が整備される以前の旧法下における判断であるが、最高裁への不服申立てが限定的であるという上訴制度の基本原則を示す。現在の実務においても、抗告理由が憲法違反や判例違反等の限定的な事由に限定されている点を確認する際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和23(ク)40 / 裁判年月日: 昭和24年2月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に定めた場合を除き、憲法判断の不当を理由とする場合に限って許容される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告申立書の内容からは、原決定における憲法判断の不当を理由とする特別抗告の要件を満たしていることが認められず、他に最高裁判所…
事件番号: 昭和24(ク)20 / 裁判年月日: 昭和24年5月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告申立ては、訴訟法が特別に定めた場合を除き、憲法上の判断が不当であることを理由とする場合に限って認められる。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの裁判(詳細は判決文からは不明)に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、当該抗告状の記載によれば、原決定における憲法上の判断の不…
事件番号: 昭和29(ク)210 / 裁判年月日: 昭和29年11月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関し裁判権を有するのは、法律により特に最高裁判所への抗告が許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断が含まれる場合にのみ適法となる。本件のように憲法問題を含まない不服申立ては、形式が異議申立てであっても抗告であっても、不適法として却下される。 第1 事案の概要:申立…
事件番号: 昭和23(ク)39 / 裁判年月日: 昭和24年2月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に定めた場合を除いてはすることができず、特別抗告の要件を満たさない限り不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、抗告申立書および記録を確認したところ、本件は原決定における憲法判断の不当を理由とするもので…
事件番号: 昭和26(ク)215 / 裁判年月日: 昭和26年12月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟手続上の違法を憲法違反と主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定が裁判を受ける権利を奪った違法があるとして、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その実質的な内容は、原決定における…