判旨
最高裁判所への抗告は、訴訟法等により特にその権限に属すると定められた場合を除き、直接申し立てることはできない。
問題の所在(論点)
訴訟法等に特別の規定がない場合において、最高裁判所に対して直接抗告を申し立てることが認められるか。
規範
最高裁判所に対する抗告の申立ては、民訴応急措置法や刑訴応急措置法等、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと明文で定められた場合を除いては、これを認めることができない。
重要事実
抗告人が、訴訟上の手続(判決文からは具体的な事件の内容は不明)に関し、最高裁判所に対して直接抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
本件抗告について検討するに、最高裁判所が抗告を受理し得る特別の法的根拠は認められない。再抗告状の記載自体から、本件が訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものとして規定された事案に該当しないことが明らかである。したがって、本件申立ては適法な抗告の要件を欠いていると評価される。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所に対する不服申立てが可能な範囲を限定した初期の判例であり、上訴権の範囲が法律の定めに拘束されることを示している。実務上は、特別抗告や再抗告などの法定された経路を経ない直接の申立ては門前払いされることを意味する。
事件番号: 昭和22(ク)8 / 裁判年月日: 昭和23年1月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】下級裁判所の決定または命令に対して最高裁判所へ抗告ができるのは、憲法違反を理由とする場合等、訴訟法が特に定めた場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、仮処分執行取消申立事件における申立却下決定に対し、札幌高等裁判所へ即時抗告をしたが、同裁判所から抗告棄却の決定を受けた。抗告人はこれを不服とし…
事件番号: 昭和25(ク)63 / 裁判年月日: 昭和25年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、特別の定めがある場合に限られ、その抗告理由は原決定における憲法判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定における憲法判断の不当性については主張されてい…
事件番号: 昭和25(ク)55 / 裁判年月日: 昭和25年9月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に認められた場合に限り許され、民事事件においては原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、その申立理由において、原決定に憲法違反があることや、原決定が憲法に適合するか否…
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…
事件番号: 昭和33(ク)211 / 裁判年月日: 昭和33年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法により特別に認められた場合に限られ、憲法違反の主張があっても具体的理由の示唆がない場合は不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、本件抗告において憲法違反を主張して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の中では、具体的にどのような事由が…