付審判請求棄却決定に対する特別抗告が不適法とされた事例(刑訴法三六六条一項の準用なし)
刑訴法366条1項,刑訴法433条,刑訴法434条
判旨
付審判請求事件の特別抗告において、在監者が上訴申立書を監獄の長又はその代理者に差し出した時に上訴の提起があったものとみなす刑事訴訟法366条1項(在監者特則)は、準用ないし類推適用されない。
問題の所在(論点)
付審判請求事件の特別抗告の申立てについて、刑訴法366条1項(在監者特則)の準用ないし類推適用が認められ、監獄の長等への書面提出時をもって申立期間内とみなすことができるか。
規範
刑事訴訟法366条1項に規定される在監者の上訴申立に関する特則は、付審判請求事件における特別抗告の申立てについては、これを準用ないし類推適用することはできない。
重要事実
申立人は付審判請求事件の特別抗告を申し立てようとした在監者である。抗告期間の最終日である昭和56年4月7日に、申立人は抗告申立書を在監する刑務所の係官に手交したが、原裁判所がこれを受け付けたのは期間経過後の同年4月9日であった。
あてはめ
本件において、抗告申立書が原裁判所に到達したのは昭和56年4月9日であり、刑訴法433条2項の定める期間を経過している。申立人は期間最終日に刑務所係官に書面を手交しているが、付審判請求の手続きにおいては在監者特則の適用がないため、係官への手交時を基準に申立の適否を判断することはできない。したがって、本件申立ては期間経過後の不適法なものと評価される。
事件番号: 昭和54(し)88 / 裁判年月日: 昭和54年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】在監者が付審判請求事件の決定に対して特別抗告を申し立てる場合、刑事訴訟法366条1項(特則としての在監者主義)は準用ないし類推適用されない。したがって、抗告期間内に申立書を監獄官吏に提出しても、期間内に裁判所に受理されなければ申立ては不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は、付審判請求事件の決定…
結論
本件抗告は期間経過後の申立てであり、不適法であるとして棄却される。
実務上の射程
付審判請求の手続きが、通常の公訴提起後の刑事訴訟手続きとは異なる性質を有することを示唆する。実務上、特別抗告や再審請求等の特殊な申立てにおいて在監者特則が及ぶ範囲は限定的に解されており、答案作成時も、準用規定の有無や手続きの性質から類推適用の可否を厳格に判断する際の根拠となる。
事件番号: 昭和49(し)20 / 裁判年月日: 昭和49年3月20日 / 結論: 棄却
付審判請求事件の特別抗告申立には刑訴法三六六条一項は準用ないし類推適用されない。
事件番号: 昭和45(し)58 / 裁判年月日: 昭和45年9月4日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法三六六条一項は、付審判請求事件の特別抗告申立には準用ないし類推適用されない。 (注)同旨の第一小法廷決定がある(昭和四三年(し)第八五号、同年一一月一三日決定、裁判集一六九号三六七頁)。
事件番号: 平成16(し)208 / 裁判年月日: 平成16年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法366条1項に規定される在監者の上訴申立てに関する特則(監獄差し出し主義)は、付審判請求には準用も類推適用もされない。 第1 事案の概要:在監者である抗告人が付審判請求を行った際、刑事訴訟法366条1項の類推適用を前提として、監獄の長等への提出時をもって請求期間内の申立てと認められるべき…
事件番号: 昭和43(し)71 / 裁判年月日: 昭和43年10月31日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法第三六六条第一項は、いわゆる審判請求事件についてされた抗告棄却の決定に対し、右請求をした在監者が特別抗告の申立書を差し出す場合には準用ないし類推適用されないものと解すべきである。