刑訴法366条1項の付審判請求への類推適用の可否(消極)
刑訴法262条2項,刑訴法366条1項
判旨
刑事訴訟法366条1項に規定される在監者の上訴申立てに関する特則(監獄差し出し主義)は、付審判請求には準用も類推適用もされない。
問題の所在(論点)
在監者が付審判請求を行う場合において、刑事訴訟法366条1項(上訴提起における監獄差し出し主義)が準用または類推適用されるか。
規範
刑事訴訟法366条1項の規定は、在監者が上訴の申立書を監獄の長等に提出した時に上訴の提起があったものとみなす特則であるが、同規定は付審判請求の手続には準用されておらず、また性質上、類推適用することも認められない。
重要事実
在監者である抗告人が付審判請求を行った際、刑事訴訟法366条1項の類推適用を前提として、監獄の長等への提出時をもって請求期間内の申立てと認められるべきであると主張して抗告した事案。
あてはめ
刑事訴訟法366条1項は「上訴」に関する規定であり、付審判請求に関する規定の中には同条を準用する旨の明文が存在しない。また、付審判請求は公訴提起に代わる特殊な手続であり、上訴とは性質を異にすることから、明文のない特則を類推適用して期間制限を緩和することは相当ではないと解される。
事件番号: 昭和56(し)52 / 裁判年月日: 昭和56年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の特別抗告において、在監者が上訴申立書を監獄の長又はその代理者に差し出した時に上訴の提起があったものとみなす刑事訴訟法366条1項(在監者特則)は、準用ないし類推適用されない。 第1 事案の概要:申立人は付審判請求事件の特別抗告を申し立てようとした在監者である。抗告期間の最終日である…
結論
付審判請求において、監獄の長等への提出をもって請求があったとみなす特則の適用はなく、期間内に裁判所等に到達する必要がある。
実務上の射程
付審判請求の期間遵守の判断において、在監者の特則(監獄差し出し主義)を否定する確立した判例である。答案上は、付審判請求の適法性を論じる際、期間制限の厳格性を指摘する文脈で活用する。
事件番号: 昭和49(し)20 / 裁判年月日: 昭和49年3月20日 / 結論: 棄却
付審判請求事件の特別抗告申立には刑訴法三六六条一項は準用ないし類推適用されない。
事件番号: 昭和45(し)58 / 裁判年月日: 昭和45年9月4日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法三六六条一項は、付審判請求事件の特別抗告申立には準用ないし類推適用されない。 (注)同旨の第一小法廷決定がある(昭和四三年(し)第八五号、同年一一月一三日決定、裁判集一六九号三六七頁)。
事件番号: 昭和54(し)88 / 裁判年月日: 昭和54年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】在監者が付審判請求事件の決定に対して特別抗告を申し立てる場合、刑事訴訟法366条1項(特則としての在監者主義)は準用ないし類推適用されない。したがって、抗告期間内に申立書を監獄官吏に提出しても、期間内に裁判所に受理されなければ申立ては不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は、付審判請求事件の決定…
事件番号: 昭和45(し)99 / 裁判年月日: 昭和45年12月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の申立棄却決定に対する特別抗告において、在監者が抗告期間内に申立書を監獄の長等に差し出したとしても、刑事訴訟法366条1項のいわゆる在監者特則は準用ないし類推適用されない。 第1 事案の概要:付審判請求を行った申立人は、その請求を棄却する決定を受けたため、特別抗告を申し立てようとした…