在監者の上訴申立に関する刑訴法三六六条一項は、付審判請求事件の特別抗告申立には準用ないし類推適用されない。 (注)同旨の第一小法廷決定がある(昭和四三年(し)第八五号、同年一一月一三日決定、裁判集一六九号三六七頁)。
付審判請求事件における特別抗告申立に刑訴法三六六条一項が準用されるか
刑訴法366条1項,刑訴法262条
判旨
付審判請求事件の申立棄却決定に対する特別抗告において、刑事訴訟法366条1項の在監者特則は準用ないし類推適用されない。
問題の所在(論点)
付審判請求の申立棄却決定に対する不服申立(特別抗告)において、刑事訴訟法366条1項(在監者に対する上訴申立の特則)が準用または類推適用されるか。
規範
刑事訴訟法366条1項の在監者特則は、本来の刑事被告事件の上訴申立に関する規定である。付審判請求事件の手続は、刑事上の処分を受けた本人の救済を直接の目的とするものではなく、その申立棄却決定に対する不服申立も、本来の上訴申立とは性質を異にするため、同条項は準用ないし類推適用されない。
重要事実
特別抗告人が付審判請求の申立棄却決定に対し、特別抗告を申し立てた事案。本件抗告の申立書は刑事訴訟法433条2項に定める期間の経過後に原裁判所に受け付けられたが、抗告人は在監者であったため、同法366条1項(在監者特則)の適用の有無が問題となった。
事件番号: 昭和45(し)99 / 裁判年月日: 昭和45年12月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の申立棄却決定に対する特別抗告において、在監者が抗告期間内に申立書を監獄の長等に差し出したとしても、刑事訴訟法366条1項のいわゆる在監者特則は準用ないし類推適用されない。 第1 事案の概要:付審判請求を行った申立人は、その請求を棄却する決定を受けたため、特別抗告を申し立てようとした…
あてはめ
付審判請求は公務員の職権濫用罪等を対象とした検察官の不起訴処分に対する不服申立制度であり、被告人の防御を目的とする通常の刑事訴訟手続とは性質を異にする。したがって、在監者の防御権保障を主眼とする366条1項の趣旨は、付審判請求事件の抗告手続には及ばないと解される。本件申立書が期間経過後に受理されている以上、特則の適用がない限り不適法となる。
結論
本件抗告は期間経過後の申立であり不適法である。刑事訴訟法366条1項は付審判請求事件の特別抗告申立には準用・類推適用されない。
実務上の射程
付審判請求手続における不服申立の期間制限について、在監者特則の適用を否定した重要な判断。答案作成上は、刑事手続における在監者特則の適用範囲が争点となる際、付審判請求のように「本人の救済を直接の目的としない手続」には同特則が及ばないことを示す根拠として活用できる。
事件番号: 昭和49(し)20 / 裁判年月日: 昭和49年3月20日 / 結論: 棄却
付審判請求事件の特別抗告申立には刑訴法三六六条一項は準用ないし類推適用されない。
事件番号: 昭和54(し)88 / 裁判年月日: 昭和54年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】在監者が付審判請求事件の決定に対して特別抗告を申し立てる場合、刑事訴訟法366条1項(特則としての在監者主義)は準用ないし類推適用されない。したがって、抗告期間内に申立書を監獄官吏に提出しても、期間内に裁判所に受理されなければ申立ては不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は、付審判請求事件の決定…
事件番号: 昭和56(し)52 / 裁判年月日: 昭和56年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の特別抗告において、在監者が上訴申立書を監獄の長又はその代理者に差し出した時に上訴の提起があったものとみなす刑事訴訟法366条1項(在監者特則)は、準用ないし類推適用されない。 第1 事案の概要:申立人は付審判請求事件の特別抗告を申し立てようとした在監者である。抗告期間の最終日である…
事件番号: 昭和43(し)71 / 裁判年月日: 昭和43年10月31日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法第三六六条第一項は、いわゆる審判請求事件についてされた抗告棄却の決定に対し、右請求をした在監者が特別抗告の申立書を差し出す場合には準用ないし類推適用されないものと解すべきである。