レーダーによる速度違反車両の検挙が捜査方法として不合理なものではないとして憲法一三条、一四条一項、三一条違反の主張が「欠前提」とされた事例
憲法13条,憲法14条1項,憲法31条
判旨
速度違反車両をレーダーで検挙する捜査方法は、憲法13条、14条1項、31条に照らしても不合理なものではなく、適法な捜査手法として認められる。
問題の所在(論点)
速度違反車両の検挙において、レーダーを用いた速度測定及びそれに基づく捜査が、憲法13条、14条1項、31条に違反する不合理な捜査方法にあたるか。
規範
科学的根拠に基づく非侵襲的な捜査手法を用いる場合、その捜査方法が不合理なものであるといえない限り、憲法上の各規定(13条、14条1項、31条)に違反するものではなく、適法な任意捜査の範囲内として許容される。
重要事実
被告人が速度違反車両としてレーダー(速度測定器)により検挙された事案において、弁護人は、当該レーダーによる検挙が憲法13条(個人の尊重・幸福追求権)、14条1項(法の下の平等)、31条(適正手続き)に違反する不合理な捜査手法であると主張して上告した。
あてはめ
本件におけるレーダーによる速度違反車両の検挙は、客観的な科学的数値に基づき行われるものであり、その性質上、恣意的な運用が介在する余地が少なく、プライバシーや適正手続きを過度に侵害する不合理な態様とは認められない。したがって、当該捜査手法は不合理なものであるとはいえず、憲法が保障する諸権利を侵害するものではないと評価される。
結論
本件レーダーによる速度違反車両の検挙は、捜査方法として不合理とはいえず、適憲であり適法である。
実務上の射程
本判決は、交通取締りにおけるレーダー測定の憲法適合性を端的に肯定したものである。答案上は、科学的捜査の適法性を論じる際の傍証として利用可能だが、判示が極めて簡潔であるため、より詳細な「強制の処分」や「任意捜査の限界」を論じる際には、昭和44年最高裁決定(京都府学連事件)等の規範を主軸に据えた上で、本判決の「不合理ではない」という評価を引用するのが適切である。
事件番号: 昭和60(あ)1352 / 裁判年月日: 昭和61年2月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】レーダースピードメーターを用いた速度違反車両の検挙について、特段の事情がない限り憲法14条および31条に違反する不当な点は認められず、当該計測結果を証拠として用いることは適法である。 第1 事案の概要:被告人が速度違反により検挙された際、警察側はレーダースピードメーターを用いて速度を測定した。被告…