レーダースピードメーターによる速度違反取締りが憲法一四条に違反する旨の主張が排斥された事例
憲法14条
判旨
レーダースピードメーターを用いた速度違反取締りにおいて、技術的制約により一部の車両を検挙できない場合があっても、恣意的な運用がなされていない限り、犯罪捜査上のやむをえない制約として適法である。
問題の所在(論点)
特定の条件下(車両の並進・連続走行時)で違反車両を識別・検挙できない特性を持つ測定機器を用いた速度違反取締りが、法の下の平等(憲法14条)に反する不合理な捜査方法にあたるか。
規範
警察による取締活動が憲法14条の法の下の平等に反し不当な差別にあたるか否かは、当該取締りが客観的に合理的な根拠に基づき、かつ恣意的な検挙が行われていないかによって判断される。捜査機器の技術的特性に由来する検挙の限界は、犯罪捜査上のやむをえない制約として許容される。
重要事実
被告人はレーダースピードメーターを用いた速度違反取締りにより検挙された。弁護人は、当該機器が車両の並進時や連続走行時に違反車両を識別できない欠陥を有しており、特定の車両のみが検挙される結果を招くため、憲法14条に違反する不合理な捜査方法であると主張して上告した。
あてはめ
本件取締りにおいて、測定区域内に入った違反車両はいずれも検挙される可能性が担保されており、警察官による特定の個人を狙い撃ちにするような恣意的な検挙が行われた形跡は認められない。また、並進・連続走行時に識別不能となる事態は、機器の性能限界に起因するものであり、犯罪捜査上のやむをえない制約と解される。したがって、全違反者を等しく検挙できないとしても、その運用が不合理であるとはいえない。
結論
本件速度違反取締りは不合理な捜査方法ではなく、憲法14条に違反しない。
実務上の射程
行政警察活動や交通取締りにおける「選択的法執行」の限界を示す。全違反者の捕捉が技術的に困難な場合でも、選別基準に合理性があり恣意性が否定される限り、適法な執行として許容されるという論証に活用できる。
事件番号: 昭和56(あ)51 / 裁判年月日: 昭和56年4月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】速度違反車両をレーダーで検挙する捜査方法は、憲法13条、14条1項、31条に照らしても不合理なものではなく、適法な捜査手法として認められる。 第1 事案の概要:被告人が速度違反車両としてレーダー(速度測定器)により検挙された事案において、弁護人は、当該レーダーによる検挙が憲法13条(個人の尊重・幸…