一 道路標識等による最高速度の指定を都道府県公安委員会に委任することは、憲法三一条、七三条六号に違反しない。 二 証人尋問に要した訴訟費用の負担を有罪の言渡しを受けた被告人に命ずることは、憲法二九条、三二条に違反しない。
一 道路標識等による最高速度の指定を都道府県公安委員会に委任することと憲法三一条、七三条六号 二 訴訟費用の負担と憲法二九条、三二条
憲法29条,憲法31条,憲法32条,憲法73条6号,道路交通法4条,道路交通法22条,刑訴法181条
判旨
スピードレーダーによる速度違反の取締りは、相手方の同意や強制的な手段を伴わない限り、任意捜査として適法に実施することが可能である。
問題の所在(論点)
スピードレーダーを用いた速度違反の取締りは、憲法35条及び刑訴法上の令状を要する「強制の処分」に該当するか、あるいは「任意捜査」として許容されるか。
規範
強制の処分(刑訴法197条1項但書)に該当しない捜査は、個人の意思に反してその権利・利益を制約するものでない限り、任意捜査として許容される。
重要事実
被告人が道路交通法違反(速度超過)で検挙された際、捜査機関はスピードレーダーを用いて走行車両の速度を計測し、その結果に基づき取締りを実施した。被告人は、当該捜査手法が憲法35条(令状主義)に違反する強制捜査であると主張して争った。
あてはめ
本件におけるスピードレーダーによる測定は、公道を走行する車両の速度を外部から非接触で計測するものである。これは、対象者の身体や所持品に対して直接的な物理力を行使するものではなく、また住居等への侵入を伴うものでもない。したがって、個人の意思を制約して憲法上の保障を受ける権利・利益を侵害する強制的な処分とは認められず、任意捜査の範囲内で行われたものと判断される。
結論
スピードレーダーによる速度違反の取締りは任意捜査として適法であり、令状がなくとも憲法35条に違反しない。
実務上の射程
捜査の適法性を問う問題において、科学的装置を用いた非接触型の調査が「強制の処分」にあたるか否かの境界線を示す判例として活用できる。特に、プライバシー侵害の程度が低い公道上の事象を対象とする場合は、任意捜査として広く認められる傾向にある。
事件番号: 昭和56(あ)51 / 裁判年月日: 昭和56年4月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】速度違反車両をレーダーで検挙する捜査方法は、憲法13条、14条1項、31条に照らしても不合理なものではなく、適法な捜査手法として認められる。 第1 事案の概要:被告人が速度違反車両としてレーダー(速度測定器)により検挙された事案において、弁護人は、当該レーダーによる検挙が憲法13条(個人の尊重・幸…