出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条第二項にいわゆる「不特定」とは、一般大衆を指称し、たとえ一定の団体または集団に所属する物に限定されていても、その所属員が相当多数であつて、金銭の受入者との間に親族、知己等の如き個人的なつながりがない場合は、これにあたる。
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条第二項にいわゆる「不特定」の意義。
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律2条,出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律11条
判旨
出資法2条1項にいう「不特定」とは、相手方が特定の者に限定されない状態を指し、同条にいう「預り金」の解釈においても、相手方の属性や関係性、募集の態様を総合して判断される。
問題の所在(論点)
出資法2条1項にいう「不特定」の意義、および同条にいう「預り金」の該当性判断が問題となった。
規範
出資法2条1項の「不特定」とは、資金の受入れにあたり、その相手方が特定の範囲の者に限定されておらず、社会一般の広範な対象から金銭を受け入れる余地がある状態を指す。また、「預り金」とは、名目を問わず、預託金その他これに類するもので、元本の返済が約されているものをいう。
重要事実
被告人が、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(出資法)2条1項に違反して、不特定多数の者から金銭の受入れを行ったとして起訴された事案。被告人は受入れの相手方が「不特定」ではないこと、および当該金銭が「預り金」に該当しないことを主張して上告した。
事件番号: 昭和34(あ)2414 / 裁判年月日: 昭和36年4月26日 / 結論: 棄却
一 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条、第一一条は憲法第二九条に違反しない。 二 右法律第二条第二項にいわゆる「不特定且つ多数の者」とは、一般大衆を指称するのであり、たまたまその中に少数の親族を含んでいたからといつて、これを除外すべきものではない。
あてはめ
最高裁は、原判決の「不特定」に関する解釈(特定の属性を持つ者に限定されず、広く一般から募る態様等)が、最高裁大法廷の判例(最大判昭和29年1月27日等)の趣旨に合致し正当であると判断した。また、被告人の金銭受入行為についても、その実質に鑑みれば「預り金」に該当すると判示した原審の判断に誤りはないとした。具体的な事実関係の詳細は判決文からは不明であるが、原判決の認定した事実を前提に、同条の禁止する預り金行為に当たると評価された。
結論
被告人の金銭受入行為は、出資法2条1項の不特定多数の者からの預り金に該当するため、有罪とした原判決は正当である。
実務上の射程
出資法違反の構成要件である「不特定多数」および「預り金」の解釈指針として機能する。司法試験においては、資金決済法や銀行法との境界領域で、実質的な元本保証や相手方の限定性の有無を検討する際の基礎的な規範となる。
事件番号: 昭和35(あ)1803 / 裁判年月日: 昭和35年11月16日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律第七条第一項に「業として」とあるのは、反覆継続の意思を以て為す場合をいうのであつて、利益を得る目的を有することを必要としないと解した原判決の認定は正当である。
事件番号: 昭和52(あ)186 / 裁判年月日: 昭和52年10月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出資法2条の預り金禁止規定および同法11条1項の罰則規定は、憲法29条、13条、14条、22条のいずれにも違反せず、同法2条の規定は不明確とはいえない。 第1 事案の概要:被告人らは、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(出資法)2条1項、2項に違反して預り金業務を行ったとして起訴され…
事件番号: 昭和33(あ)1571 / 裁判年月日: 昭和36年9月8日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条、第一一条は、憲法第一四条に違反しない。
事件番号: 昭和55(あ)826 / 裁判年月日: 昭和57年12月21日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律五条五項は、金銭の貸付を行う者が受ける元本以外の金銭は当該貸付に関するものと認められる限り利息の実質を有すると否とを問わずすべて利息とみなし、契約の締結及び債務の弁済の費用といえどもその例外とはしない趣旨である。