出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律五条五項は、金銭の貸付を行う者が受ける元本以外の金銭は当該貸付に関するものと認められる限り利息の実質を有すると否とを問わずすべて利息とみなし、契約の締結及び債務の弁済の費用といえどもその例外とはしない趣旨である。
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律五条五項により利息とみなされる金銭の範囲
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律5条1項,出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律5条5項
判旨
出資法5条5項(現5条7項)のみなし利息規定は、金銭の貸付を行う者が受ける元本以外の金銭が当該貸付に関するものである限り、利息の実質を有するか否か、契約締結や債務弁済の費用であるかを問わず全て利息とみなす趣旨である。
問題の所在(論点)
出資法5条5項(現7項)における「利息とみなす」範囲は、実質的な利息に限定されるのか。また、契約締結費用等を含む解釈は、刑罰法規の明確性の原則(憲法31条)に反しないか。
規範
金銭の貸付を行う者が、当該貸付に関して受ける元本以外の金銭は、名目や利息の実質の有無を問わず、また、契約の締結及び債務の弁済の費用であっても、原則としてすべて同法上の「利息」とみなす。
重要事実
被告人が金銭の貸付を行う際、元本以外の金銭を受領した行為について、出資法違反(高金利)に問われた事案。弁護側は、受領した金銭が契約締結等の費用である場合、同法5条5項(現7項)の規定の適用範囲が不明確であり、憲法31条に違反すると主張した。
事件番号: 昭和37(あ)1829 / 裁判年月日: 昭和37年12月18日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条第二項にいわゆる「不特定」とは、一般大衆を指称し、たとえ一定の団体または集団に所属する物に限定されていても、その所属員が相当多数であつて、金銭の受入者との間に親族、知己等の如き個人的なつながりがない場合は、これにあたる。
あてはめ
出資法5条5項の文言上、貸付に関して受領する金銭は、利息の実質を有するか否かを問わず利息とみなされる。これには契約締結費用や弁済費用も含まれることが規定の趣旨から明らかである。したがって、条文の趣旨を合理的に解釈可能であり、不明確な点は存在しないと解される。
結論
出資法5条5項の規定は、契約締結等の費用を含むすべての元本以外の金銭を利息とみなす趣旨であり、憲法31条に違反しない。
実務上の射程
貸金業者等の脱法的な高利受領を防止するための「みなし利息」の射程を最大化した判例である。答案上は、利息制限法上の例外規定との比較に留意しつつ、出資法においては名目を問わず合算して利率計算を行う根拠として活用する。
事件番号: 昭和52(あ)186 / 裁判年月日: 昭和52年10月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出資法2条の預り金禁止規定および同法11条1項の罰則規定は、憲法29条、13条、14条、22条のいずれにも違反せず、同法2条の規定は不明確とはいえない。 第1 事案の概要:被告人らは、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(出資法)2条1項、2項に違反して預り金業務を行ったとして起訴され…
事件番号: 昭和52(あ)1271 / 裁判年月日: 昭和53年7月7日 / 結論: 破棄差戻
一 検察官が控訴をした事件は、たとえその申立理由が被告人に利益なものである場合であつても、刑訴法四〇二条にいう「被告人のため控訴をした事件」にあたらない。 二 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律五条一項違反の罪が反復累行された場合には、特段の事情のない限り、個々の契約又は受領ごとに一罪が成立する。
事件番号: 昭和33(あ)1571 / 裁判年月日: 昭和36年9月8日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条、第一一条は、憲法第一四条に違反しない。
事件番号: 昭和50(あ)1123 / 裁判年月日: 昭和50年9月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出資法5条1項による高金利の規制は立法政策の問題であり、憲法22条(職業の自由)及び29条(財産権)に違反しない。 第1 事案の概要:被告人Bらは、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(以下「出資法」)5条1項に違反する高金利の契約・受領を行ったとして刑事訴追を受けた。これに対し、被告…