出入口管理令第三条、第七〇条は憲法前文に違反するものではない。
出入国管理令第三条、第七〇条の合憲性。
出入国管理令3条,出入口管理令70条,憲法前文
判旨
国際慣習法上、外国人の入国の許否は当該国家の自由裁量によって決定しうるものであり、この原則は憲法の理念に反しない。
問題の所在(論点)
外国人の入国の許否が国家の自由裁量に委ねられていることが、憲法前文の理念に照らして許されるか。具体的には、出入国管理令による入国の制限・処罰規定の合憲性が問われた。
規範
国際慣習法上、外国人の入国の許否は、当該国家の自由裁量によって決定しうるものと解される。このことは日本国憲法の理念に反するものではない。
重要事実
被告人が、有効な旅券を所持せず、又は入国審査官の認印を受けずに入国した行為について、出入国管理令(当時)3条、70条違反として起訴された。弁護人は、これらの規定が外国人の入国の自由を制限するものであり、憲法前文の理念に違反し違憲であると主張して上告した。
あてはめ
国際慣習法における確立された原則によれば、国家は外国人の入国を許可するか否かを自由に決定できる権限を有する。憲法前文が掲げる国際協調主義の理念等は、このような国家主権に基づく裁量を否定するものではない。したがって、入国の要件を定め、これに違反した者を処罰する出入国管理令3条及び70条は、憲法の理念に抵触するものではないといえる。
結論
本件各規定は憲法前文に違反せず合憲である。したがって、被告人の上告は棄却される。
実務上の射程
外国人の人権、特に入国の自由に関する議論において、国家の広範な裁量を認める根拠として引用される。マクリーン事件判決等に繋がる、入国管理に関する国家の裁量権を端的に示した重要判例である。
事件番号: 昭和35(あ)735 / 裁判年月日: 昭和37年9月18日 / 結論: 棄却
一 刑訴法第二五五条第一項前段は、犯人が国外にいる場合は、そのことだけで、公訴の時効はその国外にいる期間中進行を停止することを規定したものである。 二 出入国管理令第六〇条第二項、第七一条は、憲法第二二条第二項に違反しない。
事件番号: 昭和44(あ)1232 / 裁判年月日: 昭和45年11月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出入国管理令(現:入管法)25条が定める出国手続の規定は、憲法22条2項に違反するものではない。日本国民に保障される「外国に移住する自由」も、公共の福祉による合理的制限に服するものである。 第1 事案の概要:被告人が、出入国管理令25条に規定された有効な旅券を所持せず、かつ入国審査官の出国確認を受…