出入国管理令第三条、第七〇条は憲法第二二条に違反しない。
出入国管理令第三条第七〇条の合憲性。
出入国管理令3条,出入国管理令70条,憲法22条
判旨
憲法22条は、日本国民の居住・移転の自由を保障するものであって、外国人が日本国に入国する権利については何ら規定していない。
問題の所在(論点)
外国人が日本国へ入国する自由は、憲法22条によって保障されるか。また、同条を根拠に出入国管理令の罰則規定の違憲性を主張できるか。
規範
憲法22条は、外国人が日本国に入国することについては、何ら規定していない。したがって、入国管理に関する制限を定める法令は、同条に違反するものではない。
重要事実
被告人が、出入国管理令3条に違反して日本国に入国し、同法70条の罪に問われた事案。被告人側は、これらの規定が憲法22条に違反し、入国の自由を侵害するものであると主張して上告した。
あてはめ
憲法22条の規定は、その文言および趣旨に照らし、国民の居住・移転の自由を保障するにとどまる。外国人の入国に関しては憲法上に明文の規定がなく、判例(最大判昭和32年6月19日等)の趣旨に徴しても、入国の自由を憲法上の権利として認めることはできない。したがって、入国手続を定めた出入国管理令3条および罰則を定める70条が、憲法22条に違反するという主張は根拠を欠く。
結論
憲法22条は外国人の入国の自由を保障していないため、被告人の所為に同法を適用することは合憲であり、上告を棄却する。
実務上の射程
外国人の人権、特に「入国の自由」の有無が問われる事案で使用する。マクリーン事件判決に連なる法理として、外国人の入国の自由は憲法上保障されず、国の裁量に委ねられるという規範の出発点として位置づけられる。
事件番号: 昭和29(あ)3594 / 裁判年月日: 昭和32年6月19日 / 結論: 棄却
一 憲法第二二条は外国人の日本国に入国することについてなにら規定していないものというべきである。 二 外国人登録令第三条、第一二条は憲法第二二条に違反しない。
事件番号: 昭和44(あ)1232 / 裁判年月日: 昭和45年11月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出入国管理令(現:入管法)25条が定める出国手続の規定は、憲法22条2項に違反するものではない。日本国民に保障される「外国に移住する自由」も、公共の福祉による合理的制限に服するものである。 第1 事案の概要:被告人が、出入国管理令25条に規定された有効な旅券を所持せず、かつ入国審査官の出国確認を受…