一 憲法第二二条は外国人の日本国に入国することについてなにら規定していないものというべきである。 二 外国人登録令第三条、第一二条は憲法第二二条に違反しない。
一 憲法第二二条は外国人の日本国入国の自由を保障するか 二 外国人登録令第三条第一二条の合憲性
憲法22条,外国人登録令3条,外国人登録令12条
判旨
憲法22条は外国人の日本国に入国する自由を保障しておらず、入国の許否は国際慣習法上、国家の自由裁量により決定し得る。
問題の所在(論点)
憲法22条は、外国人に対して「日本国に入国する自由」を保障しているか。外国人登録令3条・12条が憲法22条に違反しないかが争点となった。
規範
憲法22条1項の居住・移転の自由は日本国内におけるものを指し、同条2項の外国移住の自由も日本からの出国を指す。国際慣習法上、外国人の入国を許可する義務は国家に課されておらず、その許否は国家の自由裁量に委ねられている。したがって、憲法22条は外国人の日本国への入国について何ら規定しておらず、これを保障するものではない。
重要事実
被告人(外国人)が、外国人登録令3条(入国の制限・禁止)および12条(罰則)の規定に違反して日本に入国した罪に問われた。これに対し弁護人は、憲法22条は外国人にも入国の自由を保障しており、当該登録令の規定は違憲であるとして上告した。
あてはめ
憲法22条1項は「居住・移転」を、同条2項は「外国移住」を規定するが、これらは国内での移動や海外への出国を対象とする文言である。外国人の入国については、国家が自由裁量により決定できるというのが国際慣習法上の原則であり、憲法もこの考えを同じくすると解される。よって、日本国に入国しようとする外国人は、憲法22条による保障を受ける主体には当たらない。
結論
憲法22条は外国人の入国の自由を保障していないため、外国人登録令の規定は同条に違反しない。
実務上の射程
外国人の人権享有主体性に関するリーディングケース。入国の自由は保障されないが、在留の権利(マクリーン事件)や再入国の自由(森川キャサリン事件)など、入国後の地位や継続的な在留に関する論点との区別が重要である。本判決は「入国そのもの」については憲法の保障が及ばないことを明確にしたものである。
事件番号: 昭和44(あ)1232 / 裁判年月日: 昭和45年11月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出入国管理令(現:入管法)25条が定める出国手続の規定は、憲法22条2項に違反するものではない。日本国民に保障される「外国に移住する自由」も、公共の福祉による合理的制限に服するものである。 第1 事案の概要:被告人が、出入国管理令25条に規定された有効な旅券を所持せず、かつ入国審査官の出国確認を受…
事件番号: 昭和25(あ)586 / 裁判年月日: 昭和28年5月6日 / 結論: 棄却
一 住民を保護し取締る目的から新たに一定の場所に住居を定めたものに対し、その旨を届出若しくは、登録をなすべきことを命じ、これに違反するときは制裁を科する旨の規定を設けたからといつて、それは、居所若しくは住所を定めること自体を制限するものでもなく、又居所若しくは住所の移転自体を制限するものでもないから、かかる規定は、憲法…