判旨
上告棄却決定に対する再審請求が不適法として棄却された後、さらに重ねてなされた再審請求は、それ自体不適法であり許されない。
問題の所在(論点)
上告棄却決定に対する再審請求が一度不適法として棄却された後、再度なされた同一の決定に対する再審請求の適法性。
規範
最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、一度再審の請求がなされ、それが不適法として棄却された場合には、同一の決定に対して重ねて再審を請求することは、手続の安定および確定判決の権威の観点から、それ自体不適法であって許されない。
重要事実
被告人は、賍物故買および食糧管理法違反被告事件について昭和30年6月7日に最高裁判所から受けた上告棄却決定に対し、先に再審の請求を行った。これに対し、最高裁判所は当該申立てを不適法として棄却する決定を下したが、被告人はさらに重ねて同一の決定に対する再審の請求を行った。
あてはめ
本件において、申立人は既に一度、本件上告棄却決定に対する再審請求を行っているが、裁判所はこれを不適法として棄却している。それにもかかわらず、申立人は同一の決定を対象として再度再審を請求しており、このような繰り返しの申立ては、再審制度の趣旨に照らし、手続上の適法性を欠くものと解される。
結論
本件再審請求は不適法であるから、棄却を免れない。
実務上の射程
本決定は、再審請求に対する棄却決定が確定した後に、同一の理由または同一の対象に対してなされる反復的な再審請求を遮断する実務上の根拠となる。答案上は、再審手続の濫用的申立てを制限する文脈で、手続の適法性を論ずる際の簡潔な根拠として引用できる。
事件番号: 昭和30(き)5 / 裁判年月日: 昭和30年7月26日 / 結論: 棄却
上告を棄却した確定決定に対しては、刑訴法上再審の請求は許されていないのであるから、本件再審の請求は不適法として棄却すべきものである。
事件番号: 昭和28(き)14 / 裁判年月日: 昭和28年11月10日 / 結論: 棄却
刑訴法は、上告を棄却した確定判決に対しては、その判決の証拠が偽造、若しくは虚偽であること又は、その判決又は証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官に涜職行為があつたこと等が確定判決で証明されたときに限り、再審を許すけれども、上告が不敵法であるか又は明らかに上告理由に当らない場合になす、上告棄却の決定に対してはこれを許…
事件番号: 昭和28(き)19 / 裁判年月日: 昭和28年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告を棄却した確定判決に対する再審は刑訴法436条に定める事由がある場合に限り許されるが、上告棄却の決定に対しては再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、上告棄却の決定が確定したことに対し、再審請求を行った。当該原確定裁判は、請求人の上告について適法な上告理…
事件番号: 昭和30(す)367 / 裁判年月日: 昭和30年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした上告棄却決定に対する異議申立棄却決定の無効を主張し、当該決定の再審議を求めることは、刑事訴訟法上認められない不適法な申立てである。 第1 事案の概要:申立人は、自身が被告人となっている事件において、最高裁判所が下した上告棄却決定に対し、異議の申立てを行った。その後、当該異議申立を…
事件番号: 昭和30(す)194 / 裁判年月日: 昭和30年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした特別抗告棄却決定に対しては、更なる不服申立ては許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、公職選挙法違反被告事件に関して最高裁判所がなした特別抗告棄却決定(昭和30年6月7日付)に対し、さらに重ねて特別抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所が下した特別抗告棄却決定…