判旨
実刑判決の量刑不当を憲法13条や25条違反として主張することは、刑訴法405条所定の上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
量刑の不当(実刑判決の適否)を憲法違反として主張することが、刑訴法405条の上告理由として認められるか。
規範
量刑の不当(実刑判決の宣告等)は、それ自体では憲法違反の問題を生じさせるものではなく、刑事訴訟法405条各号に掲げられた適法な上告理由には当たらない。
重要事実
被告人は懲役1年2月の実刑を宣告した第一審判決を維持した原判決に対し、罰金以外の前科がないことや犯行当時から病気があること等の事情を挙げ、実刑判決は憲法13条(幸福追求権)および25条(生存権)に違反すると主張して上告した。
あてはめ
弁護人が主張する事由(前科の不存在、病状)は実質的に量刑の不当を訴えるものである。量刑は裁判所の裁量に属する事項であり、具体的妥当性を欠くとしても、それが直ちに憲法13条や25条の理念に反する憲法違反の問題を構成するとはいえない。したがって、刑訴法405条の上告事由には該当せず、また刑訴法411条を適用して職権で破棄すべき顕著な不当も認められない。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
量刑不当を憲法違反に無理やり結びつけて上告理由を作出することを封じる裁判例である。司法試験の刑事訴訟法(上告・救済手続)において、量刑を理由とする上告が原則として認められないことを説明する際、その限界を示す趣旨で活用できる。
事件番号: 昭和25(あ)3395 / 裁判年月日: 昭和27年12月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当の主張は実質的に憲法37条違反の問題ではなく、刑訴法405条所定の上告理由に当たらない。また、量刑不当を上告理由から除外する制度設計は、憲法に違反するものではない。 第1 事案の概要:弁護人が、被告人に対する刑の量刑が重すぎるとして、これを憲法37条(被告人の諸権利)違反であると主張し、最…