判旨
未決勾留日数を本刑に算入しないことは、憲法が保障する基本的人権を侵害するものではない。裁判所は、裁量により未決勾留日数の一部または全部を算入しないことが認められる。
問題の所在(論点)
裁判所が刑の宣告に際して未決勾留日数を本刑に算入しないことが、憲法に保障された基本的人権を侵害し、憲法違反となるか。
規範
未決勾留日数の本刑算入は、裁判所の裁量に委ねられており、必ずしもその全部または一部を算入しなければならないものではない。この取扱いは憲法が保障する基本的人権の侵害には当たらない。
重要事実
被告人が未決勾留日数を本刑に算入しなかった原判決を不服とし、これが憲法に保障された基本的人権を侵害するものであると主張して上告した。判決文からは具体的な罪種や未決勾留の期間、原審の具体的な判断内容は不明である。
あてはめ
最高裁判所の先例(昭和23年4月7日大法廷判決)に照らせば、未決勾留日数を本刑に算入しないことが憲法違反でないことは明白である。本件においても、記録上、刑事訴訟法411条を適用して原判決を破棄すべき事由は認められない。
結論
未決勾留日数を本刑に算入しないことは憲法に違反せず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
刑法21条および刑事訴訟法の規定に基づく未決勾留算入の裁量権を認める極めて簡潔な判例である。司法試験においては、身辺拘束の二重処罰禁止や正当な手続きとの関連で論じる際、裁判所の裁量性を肯定する根拠として引用可能である。
事件番号: 昭和58(あ)1059 / 裁判年月日: 昭和58年10月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人側による控訴に基づき控訴審が第一審判決を破棄する場合、控訴申立後の未決勾留日数は刑訴法495条2項2号により当然に全部算入される。そのため、裁判所が刑法21条に基づき裁量によりその一部を算入する旨を言い渡すことは、法令適用を誤った違法なものとなる。 第1 事案の概要:被告人は恐喝未遂罪で起訴…