判旨
被告人が「第三国人」であることを理由とした不利益な差別的取扱いの有無が争われたが、証拠上そのような事実は認められないとして、憲法違反等の上告理由に当たらないと判断した。
問題の所在(論点)
被告人が「第三国人」であることを理由に差別的な取扱いを受けたという主張が、実質的に量刑不当の主張に留まる場合に、刑訴法405条の上告理由(憲法違反)に該当するか。
規範
憲法第14条第1項の平等原則に関わり、刑事裁判における量刑の決定に際して、人種や国籍(第三国人であること等)を理由として不当に差別的な取扱いをすることは許されない。もっとも、量刑不当の主張が実質的に憲法違反をいうものであっても、具体的証跡がない限り、刑訴法405条の上告理由には当たらない。
重要事実
被告人が「第三国人」であることを理由に差別的な取扱いを受け、不当に重い量刑を科されたと主張して、憲法違反および量刑不当を理由に上告がなされた事案である(具体的な犯罪事実は判決文からは不明)。
あてはめ
弁護人は憲法違反を主張するが、その実質は量刑不当の主張に過ぎない。記録を精査しても、被告人が第三国人であることを理由に差別的な取扱いをしたことを疑うに足りる証跡は何ら見当たらない。したがって、所論は単なる量刑の非難であり、上告理由の体裁を整えていない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらず、また刑訴法411条を適用すべき事由も認められないため、棄却される。
実務上の射程
量刑に対する憲法違反の主張が、具体的な根拠に基づかない形式的なものである場合には、実質的に量刑不当の主張とみなされ、上告理由として認められないことを示す。人権侵害を主張する際の疎明の重要性を示唆する。
事件番号: 昭和41(あ)72 / 裁判年月日: 昭和41年6月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が朝鮮半島出身者であることを理由に差別的な量刑がなされた事実は認められず、法の下の平等に反するとの主張は前提を欠く。 第1 事案の概要:被告人AおよびBが、朝鮮半島出身者であることを理由に、原判決において差別的な待遇を受け、不当に重い刑を科されたと主張して、憲法違反を理由に上告したもの。 第…