判旨
公職選挙法146条による文書図画の頒布制限は、憲法21条に違反しない。先行する大法廷判決の判断を維持し、選挙の公正を確保するための合理的制限として合憲性を肯定した。
問題の所在(論点)
公職選挙法146条による文書図画の頒布制限が、表現の自由を保障する憲法21条に違反し違憲とならないか。
規範
選挙の自由および公正を確保するため、特定の文書図画の頒布を制限することは、公共の福祉による合理的かつ必要な制限の範囲内であり、憲法21条に違反しない(昭和30年4月6日大法廷判決参照)。
重要事実
被告人らが、公職選挙法146条(現行の選挙運動用以外の文書図画の頒布制限規定に相当)に抵触する態様で文書図画を頒布し、同法違反として起訴された事案。被告人側は、当該制限が表現の自由を保障する憲法21条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、本件における憲法21条違反の主張に対し、既に同様の争点について判断を示した昭和30年4月6日の大法廷判決を引用した。当該大法廷判決において、選挙運動の公正を期するための文書頒布の制限は合憲であるとの判断が確立しており、本件においてもその判断を維持するのが相当であるとした。
結論
公職選挙法146条は憲法21条に違反しない。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
選挙運動の自由に対する制約の合憲性を論じる際のリーディングケースの一つである。答案上では、表現の自由といえども選挙の公正(公平)という公共の福祉による制約を受けること、およびその制約が合理的範囲内であることを示す根拠として活用できる。
事件番号: 昭和28(あ)3147 / 裁判年月日: 昭和30年4月6日 / 結論: 棄却
公職選挙法第一四二条、第一四三条、第一四六条は憲法第二一条に違反しない。