判旨
弁護人が公判期日変更申請を行う際、その理由を疎明する方法を提出していない場合には、裁判所が当該申請を却下しても、訴訟手続の法令違反や憲法違反には当たらない。
問題の所在(論点)
公判期日の変更申請に対し、理由の疎明がないまま行われた却下決定が、訴訟手続の法令違反(刑訴法411条等)または憲法違反に該当するか。
規範
公判期日の変更申請(刑訴法276条、刑訴規則179条等)がなされた場合において、裁判所がこれを受理・却下する判断は裁量に委ねられるが、申請者が変更の必要性を具体的に疎明する資料を提出していないときは、却下決定に手続上の違法は認められない。
重要事実
被告人の弁護人は、原審において公判期日の変更を申請したが、裁判所はこの申請を却下した。記録上、弁護人が当該変更申請の理由を裏付けるための疎明資料を提出した形跡は認められなかった。弁護人は、申請却下が違憲であるとして上告した。
あてはめ
本件において、弁護人は公判期日の変更を申し立てているが、記録によればその理由を疎明する方法(資料等)が提出された形跡がない。適切な疎明が欠如している以上、裁判所が申請を却下したことは不当とはいえず、被告人の防御権を侵害するような手続上の瑕疵も認められない。したがって、職権で判決を取り消すべき著しい正義に反する事由(刑訴法411条)も存在しない。
結論
公判期日変更申請の却下は適法であり、上告は棄却される。
実務上の射程
公判期日の変更等、訴訟指揮に関する裁量判断を争う際の基本姿勢を示す。実務上、期日変更を求める場合には具体的な疎明が必須であり、疎明なき申請の却下は、訴訟遅延防止の観点からも正当化されやすいことを示唆している。
事件番号: 昭和27(れ)68 / 裁判年月日: 昭和27年7月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の弁護人依頼に関する願を却下して弁護人の立会いなしで事実審理をしたとしても、それが旧刑事訴訟法に基づく適法な手続である場合には、憲法違反や重大な訴訟手続の法令違反には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が、弁護人依頼に関する願を却下され、弁護人の立会いなしで事実審理が行われたとして、訴訟手…