検事総長以外の者から非常上告申立は許されない。註。本件は被告人からの申立にかかわる。
検事総長以外の者から非常上告の申立をなし得るか
刑訴法454条
判旨
非常上告は検事総長のみが行い得る申立てであり、被告人等による申立ては認められない。また、最高裁判所の決定に対しては重ねて不服を申し立てることはできない。
問題の所在(論点)
被告人等の当事者が最高裁判所の上告棄却決定に対し、刑事訴訟法454条に基づく非常上告の申立てを行うことが許されるか。
規範
刑事訴訟法454条に基づき、非常上告は検事総長にのみ認められた申立権限である。また、手続の終結を目的とする最高裁判所の裁判(決定)については、法に別段の定めがない限り、重ねて不服を申し立てることは許されない。
重要事実
被告人Aに対する横領被告事件において、最高裁判所が昭和29年6月8日に上告棄却の決定を下した。これに対し、被告人側の申立人が当該決定を不服として非常上告の申立てを行った事案である。
あてはめ
刑事訴訟法454条の規定を照らすと、非常上告の申立主体は検事総長に限定されており、本件申立人のような私人がこれを行うことは明文上認められない。また、最高裁判所が既になした上告棄却決定は最終的な判断であり、これに対して更に不服を申し立てる手続は法に規定されていない。したがって、本件申立は法の認める適法な不服申立手段とはいえない。
事件番号: 昭和29(き)4 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】非常上告の申立権者は検事総長に限定されており、また上告棄却の決定に対して再審を請求することは認められない。 第1 事案の概要:申立人(詳細な属性は判決文からは不明)が、何らかの刑事事件に関する上告棄却の決定に対し、非常上告または再審の請求を目的とした申立てを行った事案である。 第2 問題の所在(論…
結論
本件非常上告の申立ては、申立権限のない者による不適法な申立てであり、棄却されるべきである。
実務上の射程
非常上告の申立権者が検事総長に限定されていることを確認する基本的判例である。司法試験の刑事訴訟法において、特別救済手続の主体や終局裁判の不服申立可能性が問われた際、法の明文規定と裁判の確定力の観点から引用される。実務上も、最高裁の決定に対する「抗告」等の誤った不服申立を排除する根拠となる。
事件番号: 昭和30(す)28 / 裁判年月日: 昭和30年2月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】非常上告の申立権者は検事総長に限られるため、被告人による非常上告の申立ては不適法であり、再審の申立てとしても要件を欠く場合は棄却される。 第1 事案の概要:強姦被告事件につき上告棄却の決定が確定した後、被告人が「非常上告」と題する書面を最高裁判所に提出し、確定した決定に対する不服を申し立てた事案。…
事件番号: 昭和29(き)6 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して更に上告を申し立てることは許されず、また当該決定に対して再審の請求をすることも認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所によってなされた上告棄却の決定に対し、さらに不服を申し立てるべく「上告」を申し立てた。また、当該申立てには再審の請求としての性質も含まれ得ると解…
事件番号: 昭和50(す)219 / 裁判年月日: 昭和50年11月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】非常上告の申立権者は検事総長に限られており、被告人や弁護人などの申立人による非常上告の申立ては刑事訴訟法454条により認められない。 第1 事案の概要:業務上過失傷害および道路交通法違反の被告事件について、昭和49年10月1日に最高裁判所が言い渡した判決に対し、申立人(検事総長以外の者と解される)…
事件番号: 昭和27(し)74 / 裁判年月日: 昭和27年10月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告は、同法405条に規定する憲法違反または判例相反の事由がある場合に限り申し立てることができる。本件の抗告理由はこれらに該当しないことが明らかであるため、適法な理由にならず棄却を免れない。 第1 事案の概要:抗告人Aが、原決定に対して刑事訴訟法433条に基づき特別抗…