判旨
非常上告の申立権者は検事総長に限定されており、また上告棄却の決定に対して再審を請求することは認められない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上、検事総長以外の者が非常上告を申し立てることができるか。また、上告を棄却する決定に対して再審の請求をすることができるか。
規範
1. 非常上告(刑訴法454条)の申立権者は、検事総長に限られる。2. 上告棄却の決定(刑訴法414条、385条1項等)は確定判決ではないため、これに対して再審(刑訴法435条)を請求することはできない。
重要事実
申立人(詳細な属性は判決文からは不明)が、何らかの刑事事件に関する上告棄却の決定に対し、非常上告または再審の請求を目的とした申立てを行った事案である。
あてはめ
本件申立ては検事総長以外の者によってなされたものであるが、刑事訴訟法454条によれば非常上告の申立権は検事総長に専属するため、本件申立ては不適法である。また、申立ての対象が上告棄却の「決定」であるところ、再審は確定した「判決」を対象とするものであるから、決定に対する再審請求は認められない。
結論
本件申立ては不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
非常上告の申立権者の限定(検事総長専権事項)と、再審の対象が確定判決に限られる(決定は含まれない)という刑事手続上の基本原則を確認する際に引用される。答案上では、救済手続の適法性を論じる際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和29(す)271 / 裁判年月日: 昭和29年7月13日 / 結論: 棄却
検事総長以外の者から非常上告申立は許されない。註。本件は被告人からの申立にかかわる。
事件番号: 昭和28(き)14 / 裁判年月日: 昭和28年11月10日 / 結論: 棄却
刑訴法は、上告を棄却した確定判決に対しては、その判決の証拠が偽造、若しくは虚偽であること又は、その判決又は証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官に涜職行為があつたこと等が確定判決で証明されたときに限り、再審を許すけれども、上告が不敵法であるか又は明らかに上告理由に当らない場合になす、上告棄却の決定に対してはこれを許…
事件番号: 昭和28(き)19 / 裁判年月日: 昭和28年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告を棄却した確定判決に対する再審は刑訴法436条に定める事由がある場合に限り許されるが、上告棄却の決定に対しては再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、上告棄却の決定が確定したことに対し、再審請求を行った。当該原確定裁判は、請求人の上告について適法な上告理…
事件番号: 昭和26(れ)292 / 裁判年月日: 昭和26年5月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が刑事訴訟法405条に該当せず、かつ同法411条を適用して原判決を破棄すべき事由も見当たらないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が上告を申し立てた事案であるが、提出された上告趣意書の内容、および訴訟記録の詳細は、本判決文の記載からは不明である。 第2 問題…