判旨
非常上告の申立権者は検事総長に限られるため、被告人による非常上告の申立ては不適法であり、再審の申立てとしても要件を欠く場合は棄却される。
問題の所在(論点)
被告人が刑事訴訟法454条の非常上告を自ら申し立てることの可否、および当該申立てを再審の申立てと解釈した場合の適否が問題となる。
規範
刑事訴訟法454条に基づき、非常上告を申し立てることができるのは検事総長に限定される。また、再審の申立てとして受理するためには、同法435条各号または436条に定める再審事由を具体的に備えていなければならない。
重要事実
強姦被告事件につき上告棄却の決定が確定した後、被告人が「非常上告」と題する書面を最高裁判所に提出し、確定した決定に対する不服を申し立てた事案。
あてはめ
本件申立ては「非常上告」と題されているが、刑事訴訟法454条は検事総長のみにその申立権を認めており、被告人による申立ては同条の規定に照らして許されない。また、仮にこれを再審の申立てと解釈したとしても、申立内容において再審事由(刑訴法435条、436条)に該当する具体的な事由が備わっているとは認められない。
結論
被告人による本件非常上告の申立ては不適法であり、再審の申立てとしても理由がないため、棄却される。
実務上の射程
非常上告の申立権者が検事総長に独占されている(国家の法令解釈の統一を目的とする)ことを再確認する事例である。被告人側からの救済手段としては再審の道しか残されていないが、その際も厳格な再審事由の疎明が必要となる。
事件番号: 昭和29(す)271 / 裁判年月日: 昭和29年7月13日 / 結論: 棄却
検事総長以外の者から非常上告申立は許されない。註。本件は被告人からの申立にかかわる。
事件番号: 昭和50(す)158 / 裁判年月日: 昭和50年9月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした決定に対しては不服を申し立てることは認められておらず、これに付随してなされた裁判官の忌避申立てについても同様に不適法である。 第1 事案の概要:強制わいせつ被告事件において、最高裁判所が昭和50年7月31日に下した抗告棄却決定に対し、申立人が異議の申立てを行った。あわせて、当該異議…
事件番号: 昭和30(す)134 / 裁判年月日: 昭和30年5月24日 / 結論: 棄却
刑訴第四一四条、第三八六条第二項、第三八五条第二項、第四二二条、第四二三条第一項によれば、上告棄却の決定に対する異議の申立は、右決定のあつた日から三日以内に書面でこれをしなればならないとされているのであつて、訴訟手続の明確を期する趣旨から見れば、電報はこゝにいう書面に該当しないものと解するのを相当とする。従つて電報によ…
事件番号: 昭和30(す)319 / 裁判年月日: 昭和30年9月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、抗告による不服申立てを行うことは許されない。また、当該決定に対する異議の申立てについても、法定の期間を経過した後は不適法となる。 第1 事案の概要:被告人が、自らに対する毀棄被告事件について最高裁判所が昭和30年9月9日になした上告棄却の決定に対し、不服を申し…
事件番号: 昭和30(し)7 / 裁判年月日: 昭和30年3月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付随的訴追(刑訴法262条1項)の審判請求を棄却した決定に対しては、通常の抗告が可能であるため、これを行わずに直接最高裁判所へ申し立てる特別抗告は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、大阪拘置所長による公務員職権濫用等の事実について、刑訴法262条1項に基づき審判請求を行った。これに対し、大…