被告人からした非常上告申立の適否(否)
刑訴法454条
判旨
非常上告の申立権者は検事総長に限られており、被告人や弁護人などの申立人による非常上告の申立ては刑事訴訟法454条により認められない。
問題の所在(論点)
検事総長以外の者(被告人やその関係者等)が、確定判決の法令違反を理由として非常上告を申し立てることが許されるか(刑事訴訟法454条の申立権者の範囲)。
規範
刑事訴訟法454条に基づき、判決が確定した後においてその事件の審判が法令に違反したことを理由として非常上告を申し立てることができるのは、検事総長のみである。
重要事実
業務上過失傷害および道路交通法違反の被告事件について、昭和49年10月1日に最高裁判所が言い渡した判決に対し、申立人(検事総長以外の者と解される)から法令違反を理由とする非常上告の申立てがなされた。
あてはめ
刑事訴訟法454条は「検事総長は、判決が確定した後において、その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる」と規定している。本件申立ては検事総長以外の者によってなされたものであるが、同条の文言上、申立権者は検事総長に限定されており、それ以外の者による申立てを認める法的根拠は存在しない。
事件番号: 昭和29(す)271 / 裁判年月日: 昭和29年7月13日 / 結論: 棄却
検事総長以外の者から非常上告申立は許されない。註。本件は被告人からの申立にかかわる。
結論
本件申立ては刑事訴訟法454条に照らして許されないため、棄却を免れない。
実務上の射程
司法試験の答案作成上は、非常上告が検事総長専権の非常救済手続であることを示す際の根拠となる。刑事手続の確定後の救済手段として、再審(435条以下)と非常上告(454条以下)を区別し、申立権者の違いに留意する際に活用できる。
事件番号: 昭和30(す)28 / 裁判年月日: 昭和30年2月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】非常上告の申立権者は検事総長に限られるため、被告人による非常上告の申立ては不適法であり、再審の申立てとしても要件を欠く場合は棄却される。 第1 事案の概要:強姦被告事件につき上告棄却の決定が確定した後、被告人が「非常上告」と題する書面を最高裁判所に提出し、確定した決定に対する不服を申し立てた事案。…
事件番号: 平成4(さ)3 / 裁判年月日: 平成4年11月20日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】犯罪後の法律により刑の変更があった場合、刑法6条及び10条に基づき、行為時法と裁判時法を比較して最も軽い刑を適用しなければならない。本件では、行為時法の罰金上限額(20万円)を超える罰金刑(40万円)を科した略式命令は法令違反であり、破棄を免れない。 第1 事案の概要:被告人は平成3年3月28日、…
事件番号: 昭和29(き)4 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】非常上告の申立権者は検事総長に限定されており、また上告棄却の決定に対して再審を請求することは認められない。 第1 事案の概要:申立人(詳細な属性は判決文からは不明)が、何らかの刑事事件に関する上告棄却の決定に対し、非常上告または再審の請求を目的とした申立てを行った事案である。 第2 問題の所在(論…