判旨
事件の分離併合は裁判所の自由裁量に属し、共犯者であっても特別の規定がない限り証人として尋問することができ、その供述を証拠とすることができる。
問題の所在(論点)
共犯者の事件を分離して証人として尋問し、その供述を証拠とすることが認められるか。また、事件の分離併合に関する裁判所の裁量の有無が問題となる。
規範
1. 事件の分離併合(刑訴法8条、313条)は、裁判所の自由裁量に委ねられる。2. 裁判所は、刑訴法に特別の規定がある場合を除き、何人でも証人として尋問することができる(同法143条)。3. 共犯者の供述であっても、これを証拠とすることができる。
重要事実
判決文からは具体的な事件の内容や公訴事実の詳細は不明であるが、被告人と共犯関係にある者について、事件を分離した上で証人として尋問し、その供述を証拠として採用したことの適法性が争われた事案である。弁護人は、このような手続の違法及び憲法違反を主張して上告した。
あてはめ
刑事訴訟法の規定上、事件の分離併合は裁判所の合理的な裁量に任されていると解される。本件において、裁判所が共犯者の事件を分離し、その者を証人として尋問したことは、法が認める証人尋問権限の範囲内である。共犯者の供述であっても証拠能力は認められるとする大法廷判例(昭和24年5月18日判決)に照らせば、本件の手続に違法はない。
結論
共犯者の事件を分離して証人尋問を行い、その供述を証拠とすることは適法であり、憲法にも違反しない。
実務上の射程
共犯者の証人適格に関する基本判例である。現行実務においても、共犯者に反対尋問の機会を確保しつつ証拠として利用するために、事件を分離した上で証人尋問を行う運用を肯定する根拠として機能する。答案上は、共犯者の公判供述の証拠能力が争われる場面で、裁量による分離と証人尋問の適法性を指摘する際に引用すべきである。
事件番号: 昭和28(あ)3280 / 裁判年月日: 昭和31年12月13日 / 結論: 棄却
甲乙が共同被告人である場合に、弁論分離後乙が甲の事件の証人としてした証言は、乙の犯罪事実に対する証拠となる。