判旨
他の同一の違反者が処罰されていないという事実のみをもって、当該被告人に対する処罰が直ちに憲法14条の平等原則に違反することにはならない。
問題の所在(論点)
刑事処罰において、他の同種違反者が訴追・処罰されていない場合に、特定の被告人を処罰することが憲法14条1項の法の下の平等に反するか。
規範
他の違反者が処罰されていないという事情があったとしても、そのことのみから直ちに当該処罰が憲法14条に違反する不合理な差別であるということはできない。
重要事実
被告人が刑事事件において有罪の判決を受けたところ、弁護人が上告理由として、他の違反者が処罰されていないにもかかわらず被告人のみが処罰されるのは憲法14条の平等原則に反する旨を主張した。
あてはめ
本件において、被告人は自己に対する処罰が他者との比較において不平等であると主張するが、検察官の公訴権行使の結果として他の違反者が処罰されていない事実があるからといって、被告人の行為に対する適法な処罰が憲法14条に反する不当な差別にあたるとは認められない。
結論
他の違反者が処罰されないからといって、被告人に対する処罰が直ちに憲法14条に違反するものではないため、上告は棄却される。
実務上の射程
行政上の平等原則(違法における平等の否定)と同様、刑事手続においても、自己の処罰を免れる根拠として他者の不処罰を援用することはできないという法理を示している。司法試験においては、公訴権の濫用や平等原則の文脈で、被告人の個別的責任と平等の関係を論じる際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和38(あ)456 / 裁判年月日: 昭和39年7月17日 / 結論: 棄却
何人も外国為替管理令第七条及び同令第一一条所定の各要件を具備することにより、集中義務の免除及び支払の制限、禁止の免除を受ける機会を与えられているから、憲法第一四条の平等の原則に違反するとの主張はその前提を欠く。
事件番号: 昭和38(あ)2629 / 裁判年月日: 昭和39年11月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律が基本的な規制を概括的に規定し、具体的な犯罪構成要件の細目を政令に委任することは、特に経済統制法規のような専門的・流動的な分野においては憲法73条6号但書、31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らは、外国為替及び外国貿易管理法(当時)27条1項3号に違反して、許可を受けずに非居住者のた…
事件番号: 昭和38(あ)1801 / 裁判年月日: 昭和40年3月26日 / 結論: 棄却
一 外国為替及び外国貿易管理法第七三条は、事業主たる法人の代表者でない従業者の違反行為につき、当該法人に右行為者の選任、監督その他違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかつた過失の存在を推定した規定と解すべく、事業主において右に関する注意を尽したことの証明がなされない限り、事業主もまた刑責を免れないとする法意である…
事件番号: 昭和39(あ)1295 / 裁判年月日: 昭和40年11月26日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法二七条第一項第三号違反の罪と同法第四八条第一項に基づく命令に違反する罪とは、牽連犯ではない。
事件番号: 昭和33(あ)1620 / 裁判年月日: 昭和34年8月28日 / 結論: 棄却
本邦人以外の居住者が、自己が外国において有する外国銀行預金にもとづいて、本邦内で小切手を振出した場合も、外国為替等集中規則第三条第一項にいう対外支払手段の「取得」にあたる。