何人も外国為替管理令第七条及び同令第一一条所定の各要件を具備することにより、集中義務の免除及び支払の制限、禁止の免除を受ける機会を与えられているから、憲法第一四条の平等の原則に違反するとの主張はその前提を欠く。
外国為替管理令第七条、第一一条が憲法第一四条に違反するとの主張の当否。
外国為替及び外国貿易管理法22条,外国為替及び外国貿易管理法27条,外国為替管理令7条,外国為替管理令11条,外国為替等集中規則3条,憲法14条
判旨
刑事裁判における量刑において、類似の犯情を有する他の犯人よりも重く処罰されたとしても、各犯人の個別的事情に基づく適正な措置である限り、憲法14条及び37条1項には違反しない。
問題の所在(論点)
刑事裁判において、犯情の一部が類似する他の犯罪者よりも重い刑を科すことが、憲法14条の平等原則及び37条1項の公平な裁判所の保障に違反するか。
規範
憲法14条の法の下の平等及び37条1項の公平な裁判所による裁判の保障は、絶対的な結果の同一性を求めるものではない。犯人の処罰は、個別の犯人ごとに特別予防及び一般予防の観点から適正な措置を講ずべきものである。したがって、裁判所の構成等に偏頗の恐れがない限り、犯情の一部が類似する他の犯人と比較して量刑に差異が生じても、直ちに憲法違反とはならない。
重要事実
被告人は、外国為替及び外国貿易管理法違反等の罪に問われ、有罪判決を受けた。これに対し被告人側は、特定の要件を具備すれば義務の免除等を受ける機会が与えられている制度下において、本件の量刑が他の類似の犯情を持つ犯人と比較して重すぎることは、憲法14条(平等原則)及び37条1項(公平な裁判所)に違反すると主張して上告した。
事件番号: 昭和29(あ)2551 / 裁判年月日: 昭和29年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】他の同一の違反者が処罰されていないという事実のみをもって、当該被告人に対する処罰が直ちに憲法14条の平等原則に違反することにはならない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件において有罪の判決を受けたところ、弁護人が上告理由として、他の違反者が処罰されていないにもかかわらず被告人のみが処罰されるのは…
あてはめ
刑事罰の決定は、個々の犯罪者の性格、経歴、犯罪の動機、態様等の諸般の事情を総合考慮し、再犯防止(特別予防)や社会秩序維持(一般予防)の要請に基づいて個別的になされる。本件において被告人が他の犯人より重く処罰されたとしても、それは各犯罪者ごとに妥当な処置を講じた結果である。また、裁判所の構成等に偏頗な点は認められず、法が定める免除規定等の適用機会も平等に与えられている。したがって、量刑の個別的差異は合理的な裁量の範囲内であり、不当な差別には当たらない。
結論
他の犯人と比較して重い処罰がなされても、それが個別の犯情に基づく適正な判断である限り、憲法14条及び37条1項に違反しない。
実務上の射程
量刑の不当を憲法違反の問題(平等原則違反)として構成しようとする主張に対する反論として有用である。裁判官の広範な量刑裁量を肯定しつつ、具体的妥当性の追求が憲法上の平等に優先することを明示している。
事件番号: 昭和32(あ)2526 / 裁判年月日: 昭和33年4月24日 / 結論: 棄却
判決原本と謄本とが異るときは、特段の事情のない限り謄本に誤りがあるものと解するを相当とする
事件番号: 昭和38(あ)1801 / 裁判年月日: 昭和40年3月26日 / 結論: 棄却
一 外国為替及び外国貿易管理法第七三条は、事業主たる法人の代表者でない従業者の違反行為につき、当該法人に右行為者の選任、監督その他違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかつた過失の存在を推定した規定と解すべく、事業主において右に関する注意を尽したことの証明がなされない限り、事業主もまた刑責を免れないとする法意である…
事件番号: 昭和28(あ)383 / 裁判年月日: 昭和30年7月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成を備えた裁判所を指し、個々の事件における事実認定の当否自体を指すものではない。 第1 事案の概要:被告人が、原審(控訴審)において第一審判決が維持されたことに対し、原審は予断を抱いて安易に控訴を棄却したものであり、公…
事件番号: 昭和37(あ)927 / 裁判年月日: 昭和39年11月18日 / 結論: 棄却
一 法の下における平等の原則を定めた憲法第一四条第一項の趣旨は、特段の事情の認められない限り、外国人に対しても類推さるべきものと解するのが相当である。 二 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和三三年法律第六八号による改正前の昭和二七年法律第一一二…