一 法の下における平等の原則を定めた憲法第一四条第一項の趣旨は、特段の事情の認められない限り、外国人に対しても類推さるべきものと解するのが相当である。 二 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和三三年法律第六八号による改正前の昭和二七年法律第一一二号)第六条、第一一条第一二条は、憲法第一四条第一項に違反しない。
一 外国人と憲法第一四条第一項の法の下における平等の原則。 二 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和三三年法律第六八号による改正前の昭和二七年法律第一一二号)第六条、第一一条第一二条の合憲性。
憲法14条1項,憲法日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和33年法律68号による改正前の昭和27年法律112)6条,憲法日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和33年法律68号による改正前の昭和27年法律112)11条1項,憲法日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和33年法律68号による改正前の昭和27年法律112)12条1項
判旨
憲法14条1項の保障は特段の事情のない限り外国人にも及ぶが、法の下の平等は絶対的平等ではなく、事実関係上の差異に基づく不均等が合理的根拠に基づき必要と認められる場合には同条に違反しない。
問題の所在(論点)
憲法14条1項の保障は外国人にも及ぶか。また、日米安全保障条約に基づく行政協定の実施に伴う関税法等の特例法が、合衆国軍隊等に免税特権を認めていることは憲法14条1項の平等原則に違反するか。
規範
憲法14条1項の趣旨は、特段の事情のない限り外国人に対しても類推適用される。もっとも、同条は絶対的平等を強いるものではなく、法規の制定・適用における不均等が、一般社会観念上、合理的な根拠に基づき必要と認められるものである場合には、同条に違反しない。
事件番号: 昭和38(あ)456 / 裁判年月日: 昭和39年7月17日 / 結論: 棄却
何人も外国為替管理令第七条及び同令第一一条所定の各要件を具備することにより、集中義務の免除及び支払の制限、禁止の免除を受ける機会を与えられているから、憲法第一四条の平等の原則に違反するとの主張はその前提を欠く。
重要事実
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基づき、合衆国軍隊の公用物品等の輸入について関税を免除する特例法(昭和33年法律第68号による改正前の旧法)が制定されていた。被告人らは、この特例法が合衆国軍隊等に対してのみ免税特権を認め、一般人との間に差別を設けている点は憲法14条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
まず、法の下の平等の原則は近代民主主義の基礎的原理であり、世界人権宣言等の国際的潮流にも鑑み、外国人への類推適用が認められる。次に、本件特例法は、日米安保条約及びこれに基づく行政協定の規定を誠実に実施するために制定されたものである(憲法98条2項)。外国軍隊が条約に基づき駐在する場合、その機能を全うさせるために免税等の特権を認めることは一般に承認された国際慣行である。したがって、合衆国軍隊等にのみ特権を認めることには十分な合理的根拠があり、必要性も認められる。
結論
本件特例法の諸規定は憲法14条に違反しない。したがって、被告人らの主張には理由がなく、上告を棄却する。
実務上の射程
憲法14条の外国人への適用(類推適用)を認めたリーディングケースであるとともに、平等原則の判断枠組みとして「合理的根拠に基づく差別」の許容性を示した重要判例である。答案上は、外国人の人権享有主体性(14条)の論証や、社会経済的・国際的背景に基づく区別の合理性を基礎づける際の基準として引用する。
事件番号: 昭和36(あ)1905 / 裁判年月日: 昭和38年8月23日 / 結論: 棄却
所論は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第一条が「この法律は、酒税法、砂糖消費税法、物品税法……の規定において定めるもののほか、輸入する物品に対する内国消費税の賦課、徴収及び免除等について定めるものとする」と規定しているところから、たとえ同法第三条の「酒税法等」のうちに物品税が含まれ、従つてその適用があるとし…
事件番号: 昭和45(あ)2585 / 裁判年月日: 昭和47年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】関税法118条1項及び2項(昭和42年法律第11号による改正前)に基づく貨物の没収規定は、憲法29条に違反しない。判例(昭和37年11月28日大法廷判決等)の趣旨に照らし、正当な手続及び補償の観点から合憲性が維持される。 第1 事案の概要:上告人は関税法違反の罪に問われ、同法118条1項および2項…
事件番号: 昭和37(あ)1443 / 裁判年月日: 昭和37年11月15日 / 結論: 棄却
一 弁護人の所論各点に関する原審の判断は正当として首肯できる。 二 (原判決の要旨)時計の如くその銘柄、型式、石数、側等による種別の多数に上る品物にあつては、それらによつて他から完全に区別し得る程度に表示するのは甚だ困難であつて、判決にこれを表示するに当つては、要するに被告人が同一物につき再度起訴される虞れがなく、又そ…
事件番号: 昭和26(あ)1444 / 裁判年月日: 昭和28年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条1項が保障する「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織・構成をもつ裁判所による裁判を意味し、個別の事件における具体的内容の公正さを指すものではない。 第1 事案の概要:被告人らの弁護人が、原審における事実の認定や法令の解釈が公平でないことを理由として、憲法37条1項が定…