関税法一一八条(昭和四二年法律第一一号による改正前のもの)の合憲性
憲法29条
判旨
関税法118条1項及び2項(昭和42年法律第11号による改正前)に基づく貨物の没収規定は、憲法29条に違反しない。判例(昭和37年11月28日大法廷判決等)の趣旨に照らし、正当な手続及び補償の観点から合憲性が維持される。
問題の所在(論点)
旧関税法118条1項及び2項が、犯罪に関与しない第三者の所有物をも没収の対象とする可能性を含んでいる点に関し、憲法29条の保障する財産権を不当に侵害し違憲といえないか。
規範
関税法に基づく密輸品等の没収は、犯罪行為に対する制裁または行政目的達成のための手段として認められる。第三者の所有物であっても、正当な手続が確保されている限り、憲法29条が保障する財産権の侵害にはあたらない。
重要事実
上告人は関税法違反の罪に問われ、同法118条1項および2項(改正前)に基づき、密輸に係る貨物等の没収を命じられた。これに対し、弁護人は当該没収規定が憲法29条(財産権の保障)に違反し違憲であると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、先行する大法廷判決(昭和37年11月28日判決等)を引用し、当該条項が憲法29条に違反しないという判断枠組みを維持した。本件記録を精査しても、職権で原判決を破棄すべき(刑訴法411条)重大な事由は認められず、憲法判断を含む原審の結論を妥当とした。
事件番号: 昭和37(あ)1443 / 裁判年月日: 昭和37年11月15日 / 結論: 棄却
一 弁護人の所論各点に関する原審の判断は正当として首肯できる。 二 (原判決の要旨)時計の如くその銘柄、型式、石数、側等による種別の多数に上る品物にあつては、それらによつて他から完全に区別し得る程度に表示するのは甚だ困難であつて、判決にこれを表示するに当つては、要するに被告人が同一物につき再度起訴される虞れがなく、又そ…
結論
関税法118条1項及び2項(改正前)は、憲法29条に違反しない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
刑事没収と第三者の財産権の関係において、憲法29条および31条の適正手続の観点が問題となる。本判決自体は簡潔であるが、引用されている昭和37年大法廷判決(第三者没収事件)と併せて、行政・刑事上の目的達成のための没収が許容される限界を画する基準として機能する。
事件番号: 昭和29(あ)3098 / 裁判年月日: 昭和37年12月12日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】第三者の所有物を没収する場合において、当該第三者に対し告知・弁解・防御の機会を与える規定を設けていない法律に基づき没収を言い渡すことは、憲法31条および29条に違反する。 第1 事案の概要:被告人および共犯者らは、韓国汽船C号を密輸入未遂の犯行に供した。第一審および原審は、当該船舶が犯行当時被告人…