判旨
別の事件で既に有罪判決が確定している場合に、本件の犯罪行為について別途量刑を行うことは、刑法上の併合罪の規定等に照らし適法である。
問題の所在(論点)
先行する別の有罪判決がある場合に、それより前の犯罪行為について独立して量刑を行うことが刑法・刑訴法上許容されるか。
規範
確定判決を経た罪と、その判決確定前に犯した罪がある場合、刑法第45条後段(併合罪)等の規定に基づき、裁判所は先行する確定判決との関係を考慮した上で、本件各犯罪行為について独立して量刑を行うことができる。
重要事実
被告人には、本件の犯罪行為より先に言い渡された別の事件の有罪判決が存在していた。原審は、当該先行判決との関係を考慮した上で、本件の各犯罪行為について量刑を言い渡した。これに対し、弁護人は当該量刑が違法であるとして上告した。
あてはめ
原審が先行する別の有罪判決の存在を認識し、その確定判決との関係を考慮した上で本件の犯罪行為について量刑を判断している点は、刑法の予定する併合罪の処理(刑法50条等参照)に適合する。したがって、所論が指摘するような量刑上の違法は認められない。
結論
本件各犯罪行為に対する量刑に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
併合罪(刑法45条後段)の処理において、確定判決前の罪について別途判決を下す際の裁判所の裁量を認めたものである。答案上は、余罪や確定判決がある場合の刑の算定における裁判所の判断プロセスの正当性を基礎付ける際に参照し得る。
事件番号: 昭和25(あ)3110 / 裁判年月日: 昭和27年7月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法上の累犯加重の制度は、前科があることを理由に重ねて処罰するものではなく、再犯の反社会性や強い責任を考慮して現に行われた犯罪に対する刑を重くするものであり、憲法39条の一事不再理の原則に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が犯した罪に対し、第一審判決が刑法の規定に基づき累犯加重の刑を科した。こ…