判決書に契印がないということだけでは判決を破棄すべき法令違反に当らない(昭和二五年(あ)第一九七号同年六月一五日第一小法廷判決参照)。
判決書における契印の欠缺の刑訴第四一一条
刑訴法379条,刑訴法411条,刑訴規則58条2項
判旨
判決書に契印がないという事由のみでは、判決を破棄すべき法令の違反(刑事訴訟法405条等)には当たらない。
問題の所在(論点)
判決書に契印が欠落していることが、判決を破棄すべき法令違反(刑事訴訟法405条の上告理由)に該当するか。
規範
判決書の形式的備件に関する軽微な瑕疵は、それが判決の内容や正当性に直接的な疑義を生じさせる特段の事情がない限り、上告理由となる法令違反を構成しない。
重要事実
被告人が、判決書に契印がないことを理由として訴訟法違反を主張し、上告した事案。
あてはめ
判例(昭和25年6月15日第一小法廷判決)の趣旨に照らせば、判決書に契印がないという事実のみをもって直ちに判決の有効性や正当性が否定されるものではない。本件においても、単なる契印の欠落は手続上の形式的不備にすぎず、判決の結果に影響を及ぼすべき重大な法令違反とは認められない。したがって、上告理由である訴訟法違反には当たらないと評価される。
結論
判決書に契印がないことだけでは、判決を破棄すべき法令違反には当たらないため、上告を棄却する。
実務上の射程
判決の形式的有効性が争われる場面での限界を示す。実務上、判決書の契印漏れのような形式的ミスは、判決の同一性や真正が客観的に担保されている限り、上告審での破棄事由にはならないことを確認する際に引用される。
事件番号: 昭和27(あ)251 / 裁判年月日: 昭和29年2月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴因の撤回や訂正がなされた場合であっても、他の訴因が変更・不明確とならず、かつ判示の事実が証拠により認められるのであれば、一部に訴訟法上の不備があったとしても原判決を破棄すべき「著しく正義に反する」事由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が多数の米の買受および輸送を行った事案において、検察官…