判旨
複数の罪の間に確定判決が存在する場合、刑法45条後段の規定に従い、それらの罪は併合罪とはならず、刑罰の算定において別個の取扱いを受ける。
問題の所在(論点)
前後の罪の間に確定判決が介在する場合に、それらの罪が刑法上の併合罪として扱われるか否か。
規範
刑法45条後段の規定によれば、確定判決を経た罪とその判決が確定する前に犯した罪とは併合罪となるが、ある罪について確定判決がある場合、その後の罪と当該確定判決前の罪との間には併合罪としての関係は認められない。
重要事実
被告人が犯した第七の罪と第八の罪について、両罪の間に確定判決が存在していた。弁護人は、これらの罪が併合罪となることを前提に法令違反を主張して上告した。
あてはめ
本件において、第七の罪と第八の罪との間には第一審判決が判示した通り確定判決が存在する。刑法45条の解釈に照らせば、確定判決を挟む前後の罪は併合罪には該当しない。したがって、所論のように両罪を併合罪として扱うべきとの主張は、法令の規定に反する独自の主張であるといえる。
結論
確定判決を挟む第七の罪と第八の罪は併合罪にはならない。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
刑法45条後段の併合罪(事後的併合罪)の成否を確認する際の基礎的な判断枠組みとして機能する。答案作成上は、数罪間に確定判決が介在する場合、併合罪として1つの刑を科すのではなく、別個の刑を科すべきことを論証する際に用いる。
事件番号: 昭和29(あ)3254 / 裁判年月日: 昭和30年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】確定判決のある罪と、その判決の確定前に犯された他の罪とは、刑法45条後段により併合罪となる。そのため、確定判決前の複数の罪に対し、個別に刑を言い渡すことは適法である。 第1 事案の概要:被告人は昭和28年6月24日に窃盗罪により有罪判決を受け、その判決は確定した。一方で、被告人はこれとは別に、昭和…