判旨
第一回公判期日に審理を終え、直ちに判決を宣告する手続は、公判調書の記載によりその適法性が担保されている限り、刑事訴訟法上の手続として有効である。
問題の所在(論点)
第一審の第一回公判期日において審理と判決宣告を即日に行うことの適否、および判決宣告期日の公判調書が存在しないとの主張が成立するか(刑事訴訟法第405条、第411条関連)。
規範
公判期日における審理および判決宣告の適法性は、刑事訴訟法上の規定に従い作成された公判調書の記載に基づいて判断される。第一回公判期日において即日に判決を宣告する場合であっても、当該公判調書にその旨の記載がある限り、手続は適法に履践されたものとみなされる。
重要事実
被告人が刑事事件について起訴された。第一審の第一回公判期日において審理が行われ、そのまま直ちに判決が宣告された。弁護人は、判決宣告期日の公判調書が存在しないことを前提として、判決宣告手続の不備を理由に上告を申し立てた。
あてはめ
本件記録を確認すると、第一審の第一回公判調書には、同日に審理が実施され、かつ直ちに判決が宣告された事実が明確に記載されている。したがって、判決宣告期日の公判調書が別に存在しないことを理由とする弁護人の主張は、調書の記載という客観的事実に反しており、採用できない。
結論
第一審第一回公判期日に審理および判決宣告が行われた手続に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
即日判決の事案において、公判調書が手続の適法性を証明する証拠力を有することを確認した判例である。答案上は、公判手続の適法性が争点となった際、公判調書の記載(刑訴法52条)を根拠に事実認定を行う際の基礎として活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)597 / 裁判年月日: 昭和29年6月8日 / 結論: 棄却
控訴裁判所は、控訴記録卸び第一審で取り調べた証拠のみによつて直ちに判決することができると認める場合でも、常に新たな証拠を取り調べた上でなければ、いわゆる破棄自判ができないものではない。
事件番号: 昭和29(あ)621 / 裁判年月日: 昭和30年4月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公判調書に被告人の出頭に関する明記がない場合であっても、原審の判断が相当である限り、刑訴法上の上告理由や職権破棄事由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人両名の上告趣意において、公判調書に被告人等が出頭した旨の明記がないことが論難された。弁護人はこの点を捉えて違憲および刑事訴訟法違反を主張した…