判旨
酒税法違反における酒類の所持について、証拠能力の判断や事実誤認の有無を検討した結果、原判決の判断を維持し、所論の事実関係においても所持罪が成立すると判示した。
問題の所在(論点)
1. 原判決が証拠とした内容が「単なる意見」であり証拠能力を欠くか。2. 被告人の主張する事実関係を前提とした場合に酒税法違反の所持罪が成立するか。
規範
特定の証拠が単なる個人的意見に留まるか否かの証拠能力の判断、および酒税法上の「所持」の成立要件については、原判決の事実認定に照らし、不当な法令違反がない限りは、確定した事実に基づき法的評価を下すものとする。
重要事実
被告人が酒税法違反(酒類の不法所持等)に問われた事案。弁護人は、原判決が単なる個人の意見を証拠として採用した点に訴訟法違反があり、かつ事実誤認を前提とした法令違反があるとして上告した。
あてはめ
1. 原判決の証拠採用について検討したところ、弁護人が主張するような「単なる意見」を証拠とした事実は認められない。2. 事実関係を精査しても、弁護人が主張する状況下においてさえ酒税法違反の所持罪の成立は妨げられず、原判決の判断に法令違反は認められない。
結論
被告人の上告には刑訴法405条の上告理由がなく、また同411条を適用すべき職権調査の必要性も認められないため、上告を棄却する。
実務上の射程
酒税法違反における所持の概念や、証拠能力に関する極めて簡潔な判断を示すにとどまる。司法試験においては、伝聞法則における「意見」の取扱い(刑訴法320条以下)や、所持概念の規範的評価(実力的な支配関係)を論じる際の補強的な参照先となり得るが、本判決文自体の具体的判示は乏しい。
事件番号: 昭和28(あ)3009 / 裁判年月日: 昭和29年4月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条の上告理由として判例違反を主張する場合には、具体的に違反とされる判例を示す必要があり、それがない不適法な主張は上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:弁護人が上告理由として第一点および第二点において判例違反を主張したが、その主張において違反とされる対象判例を具体的に摘示していな…