判旨
旧刑法下の死刑制度が憲法36条の「残虐な刑罰」に当たるか否かについて、昭和23年大法廷判決を引用し、合憲であるとの判断を維持したものである。
問題の所在(論点)
死刑制度は憲法36条が絶対的に禁止する「残虐な刑罰」に該当し、憲法違反となるか。
規範
憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」とは、不必要な苦痛を強いる刑罰を指す。死刑そのものは、現行憲法の想定する刑罰であり、人道上の見地から直ちに「残虐」には当たらない。
重要事実
被告人両名に対し、第一審または控訴審において死刑等の重刑が言い渡されたものと推認されるが、具体的な犯罪事実の詳細は判決文からは不明。被告人側は、死刑制度の違憲性および量刑不当等を理由に上告した。
あてはめ
最高裁判所は、昭和23年9月29日大法廷判決の判例を引用した。同判例によれば、死刑は憲法13条、31条がその存在を前提としており、生命を奪うこと自体が直ちに「残虐な刑罰」に該当するわけではない。本件においても、この判断枠組みに従い、死刑制度を合憲とした判断に憲法違反はないと判断した。
結論
本件各上告を棄却する。死刑制度は憲法36条に違反しない。
実務上の射程
死刑制度の合憲性を争う際のリーディングケース(昭和23年判決)を再確認した判決である。答案上は、死刑制度の合憲性を論証する際、憲法13条・31条との整合性から「残虐な刑罰」には当たらないとする規範の根拠として言及する。
事件番号: 昭和28(あ)842 / 裁判年月日: 昭和29年9月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律で許容された範囲内の刑を量定し、刑の執行猶予を言い渡さなかったとしても、憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」には当たらない。 第1 事案の概要:被告人に対し、法律の範囲内で刑が言い渡されたが、執行猶予が付されなかった。これに対し弁護人は、執行猶予を言い渡さなかったことが憲法36条に違反し、残虐な刑…