判旨
食糧管理法第9条の規定は、憲法に反するものではなく、合憲である。過去の大法廷判決の判例を維持し、同法の合憲性を改めて確認した。
問題の所在(論点)
食糧管理法第9条の規定が、憲法の保障する基本的人権を侵害し、違憲といえるか。論点は食糧管理制度に伴う経済的自由の制限の合憲性にある。
規範
特定の法律(食糧管理法)の規定が憲法に適合するか否かの判断においては、公共の福祉の観点から必要とされる合理的な規制であるかを考慮し、既に確立された大法廷判決の趣旨を維持して判断枠組みを構成する。
重要事実
上告人は食糧管理法違反で起訴されたが、弁護人は同法第9条が憲法に違反するものであるとして上告した。事案の具体的な犯罪事実等の詳細については、本判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁判所は、食糧管理法の合憲性については既に昭和23年9月29日大法廷判決および昭和25年2月1日大法廷判決という確立した先例が存在することを指摘した。これらの先例は食糧管理制度による統制を公共の福祉に基づく合理的な制限として容認しており、本件においてもこれを変更すべき事情は認められないと判断した。
結論
食糧管理法第9条は合憲である。したがって、違憲を理由とする上告は採用できない。
実務上の射程
公共の福祉による経済的自由の制限に関する古典的判例の一つであり、確立した大法廷判決がある場合には、小法廷はその判例を維持する形で簡潔に合憲性を肯定できることを示す。答案上は、食糧管理制度のように国民生活の基盤に関わる経済活動への規制について、立法府の広範な裁量を認める文脈で参照される。
事件番号: 昭和27(あ)2122 / 裁判年月日: 昭和27年12月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法9条の規定は、公共の福祉を維持するために設けられたものであり、憲法に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らは食糧管理法違反等の罪に問われ、有罪判決を受けた。これに対し、被告人側は同法9条の規定が憲法36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)やその他の憲法規定に違反し、量刑も不当であるとして上告…