判旨
食糧管理法の合憲性については最高裁判所の累次の判例により肯定されており、公共の福祉に基づく経済的自由の制限として許容される。また、量刑不当の主張は適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
1. 食糧管理法が憲法に違反するか(経済的自由の制限の合意性)。2. 量刑不当の主張が刑事訴訟法405条の上告理由に該当するか。
規範
経済的自由を制限する法律(食糧管理法)の合憲性については、公共の福祉に基づく合理的な制限である限り、憲法に違反しない。また、刑事訴訟法405条の上告理由において、単なる量刑不当の主張は適法な理由として認められない。
重要事実
被告人が食糧管理法違反で起訴された事案において、弁護人は同法の違憲性を主張するとともに、量刑が不当であるとして上告した。
あてはめ
1. 食糧管理法の合憲性については、既に昭和23年9月29日大法廷判決等の累次の判例が存在し、これらに照らせば同法は合憲である。 2. 被告人の主張する第2点は、形式的には違憲を主張するものであるが、その実質は量刑の不当を訴えるものにすぎない。これは刑訴法405条が定める上告理由のいずれにも該当しない。
結論
食糧管理法は合憲であり、被告人の上告は理由がないため、本件上告を棄却する。
実務上の射程
経済的自由(特に積極目的規制)の合憲性判断において、初期の判例が合憲性を維持していることを示す。また、上告審における違憲主張が実質的な量刑不当にすぎない場合の処理方法として、形式的な主張ではなく実質的な主張内容で判断する実務上の運用を確認できる。
事件番号: 昭和28(あ)1806 / 裁判年月日: 昭和28年9月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法による経済活動の制限は、公共の福祉のために必要な制限であり、憲法に違反しない。過去の大法廷判決の趣旨に照らし、同法の違憲性を主張する上告は理由がない。 第1 事案の概要:被告人が食糧管理法違反で起訴された事案において、弁護人は同法が憲法の各条規に違反する旨を主張して上告した。原審の判断や…