判旨
食糧管理法、同施行令、同施行規則が憲法に違反しないことは、昭和23年の大法廷判例の趣旨に照らし明らかであり、合憲である。被告人の上告趣意に正当な理由は認められず、上告は棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
食糧管理法、同施行令および同施行規則が、日本国憲法の保障する基本的人権を侵害し違憲となるか。具体的には、経済活動の制限が「公共の福祉」による正当な制限として許容されるかが問題となる。
規範
特定の経済統制法規の憲法適合性については、公共の福祉(憲法12条、13条等)に基づく制限として、立法府の裁量を尊重し、その合理性を肯定した従前の大法廷判例の趣旨を維持する。
重要事実
被告人は食糧管理法等の規定に違反したとして起訴されたが、当該法令は日本国憲法に違反するものであると主張して上告した。判決文からは、具体的な違反行為の態様等の事実は不明である。
あてはめ
最高裁判所昭和23年9月29日大法廷判決の趣旨に照らせば、食糧の需給を調整し国民生活の安定を図る目的で制定された食糧管理法等の諸規定は、公共の福祉に適合する合理的な制限であると解される。したがって、本件上告趣意が主張するような違憲性は認められない。
結論
食糧管理法、同施行令、同施行規則は憲法に違反しない。したがって、本件上告は理由がなく、棄却されるべきである。
実務上の射程
本判決は、経済的自由の制限に関する合憲性判定において、初期の最高裁が広範な立法裁量を認めていた傾向を示すものである。司法試験においては、経済的自由(憲法22条1項、29条)の制限の合憲性を論ずる際、食糧管理法を合憲とした先行判例が存在することを確認する意義がある。
事件番号: 昭和28(あ)1806 / 裁判年月日: 昭和28年9月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法による経済活動の制限は、公共の福祉のために必要な制限であり、憲法に違反しない。過去の大法廷判決の趣旨に照らし、同法の違憲性を主張する上告は理由がない。 第1 事案の概要:被告人が食糧管理法違反で起訴された事案において、弁護人は同法が憲法の各条規に違反する旨を主張して上告した。原審の判断や…