判旨
被告人が公判期日の冒頭陳述において行った供述は、証拠能力を有し、有罪判決の証拠として用いることができる。
問題の所在(論点)
被告人が公判の冒頭で行った陳述を、裁判所が有罪の証拠として採用することは許されるか。冒頭陳述の証拠能力が問題となる。
規範
被告人が公判期日の冒頭において行う陳述(冒頭陳述)の内容は、被告人の自白または供述として証拠能力を有し、事実認定の資料とすることができる。
重要事実
被告人3名は、刑事裁判の当初より一貫して犯罪事実を自供していた。また、検察側が提出した被害顛末書を証拠とすることについても、被告人側は同意を与えていた。弁護人は上告審において、被告人の冒頭陳述を証拠とした点などの訴訟手続の違法を主張した。
あてはめ
本件において被告人らは、当初より犯罪事実を自供しており、関連する証拠についても同意を与えていた。裁判所が被告人の冒頭陳述を証拠として採用することは、過去の判例(昭和25年(あ)第2490号)に照らしても正当である。被告人による自発的な供述の一環として、その証拠能力を認めることに違法性は認められない。
結論
被告人の冒頭陳述は証拠となり得る。したがって、これに基づき事実認定を行った原判決に訴訟法上の違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
被告人の冒頭陳述に証拠能力を認める点において重要な先例である。答案上は、被告人の公判廷での供述がどの段階でなされたかを問わず、任意性が認められる限り証拠として活用できる根拠として引用できる。
事件番号: 昭和27(あ)5569 / 裁判年月日: 昭和29年3月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官の冒頭陳述は、訴訟の状況に応じて公訴事実を引用し、または個々の証拠の立証趣旨を陳述することで足りる。また、第一審で異議を述べなかった証拠調べの違法を控訴審で主張することは、時機に遅れたものとして許されない。 第1 事案の概要:第一審の公判手続において、検察官は証拠調べの開始に際し、起訴状記載…