判旨
起訴状朗読後に行われる被告人の罪状認否における陳述は、適法に証拠として採用することができる。
問題の所在(論点)
冒頭手続において、刑事訴訟法291条に基づき被告人が行う「被告事件についての陳述(罪状認否)」に証拠能力が認められるか。
規範
刑事訴訟法上の証拠能力に関する規範として、被告人が公判期日において任意になした供述は、書面による供述や公判準備等での陳述に限らず、公判手続の一環として行われる罪状認否における陳述であっても証拠とすることが認められる。
重要事実
被告人は、検察官による起訴状朗読に続いて行われた罪状認否において、犯罪事実を認める旨の陳述を行った。弁護人は、この段階における陳述は証拠となし得ないこと、および当該陳述が真意に出たものではない疑いがあることを理由として、当該陳述を証拠として採用した原判決の違法を主張し、上告した。
あてはめ
本件において、被告人は検察官の起訴状朗読に続いて犯罪事実の認否に関する陳述を行っている。このような陳述は、公判廷における被告人の自発的な供述であり、当裁判所の判例(昭和25年(あ)2490号等)に照らしても証拠とすることができる。また、被告人の陳述が真意に出たものでない疑いがあるとの点についても、原審においてそのような事実は認められておらず、証拠能力を否定すべき特段の事情は存在しない。
結論
被告人が罪状認否においてなした陳述は証拠とすることができ、これを証拠として採用した原判決に訴訟法違反の違法はない。
実務上の射程
被告人質問(刑訴法311条)前の冒頭手続における供述であっても、証拠能力が認められることを確認した点に実務上の意義がある。答案上は、被告人の自白が罪状認否時になされた場合でも、公判廷における供述として直接証拠として用いることができる根拠となる。
事件番号: 昭和26(あ)701 / 裁判年月日: 昭和27年6月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人自らの供述を記載した書面であっても、その内容が被告人の自白を補強する証拠として認められる場合には、補強証拠としての適格性を有する。 第1 事案の概要:被告人が起訴事実について自白を行っていた事案において、第一審判決は被告人の供述書を証拠として採用した。弁護人は、当該供述書が被告人自身の供述に…