いわゆる進駐軍用物資の揮発油であつても、石油製品配給規則による統制の対象となるものと解すべきである。
進駐軍用物資たる揮発油も石油製品配給規則による統制の対象となるか
石油製品配給規則1条,石油製品配給規則別表1
判旨
進駐軍用物資である揮発油であっても、石油製品配給規則による経済統制の対象に含まれる。
問題の所在(論点)
石油製品配給規則による統制の対象に、いわゆる進駐軍用物資である揮発油が含まれるか。また、罪の成立を否定する主張が旧刑事訴訟法360条2項の「法律上犯罪の成立を妨げるべき理由」に該当するか。
規範
経済統制法規の適用範囲について、物資の性質(進駐軍用物資等)を問わず、国内流通の適正化を図る趣旨に基づき、当該法規の定める統制の対象に含まれると解すべきである。
重要事実
被告人両名が、石油製品配給規則に違反する行為を行ったとして起訴された事案。被告人側は、対象となった揮発油がいわゆる進駐軍用物資であることから、同規則による統制の対象外であると主張した。
あてはめ
いわゆる進駐軍用物資の揮発油であっても、国内における石油製品の需給調整という規則の目的に照らせば、特段の除外規定がない限り統制の対象となる。また、被告人による「統制対象外である」との主張は、単に罪の成立を否定するにとどまり、法律上犯罪の成立を阻却すべき特別の事由を主張するものではない。
事件番号: 昭和26(あ)2997 / 裁判年月日: 昭和28年8月7日 / 結論: 破棄差戻
いわゆる進駐軍用物資のガソリンであつても、石油製品配給規則による統制の対象となる。
結論
進駐軍用物資の揮発油も石油製品配給規則の統制対象に含まれる。したがって、原判決に法令解釈の誤りや判断遺脱の違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
統制法規の適用除外が明示されていない限り、公的な性質を持つ物資であっても一律に規制が及ぶことを示した。刑事訴訟手続上、構成要件の該否を争う主張は、犯罪不成立の主張の一環に過ぎず、判決に特段の判断説示を要する「法律上犯罪の成立を妨げるべき事由(現行刑訴法335条2項)」には当たらないとする実務上の準則として参照される。
事件番号: 昭和26(あ)1062 / 裁判年月日: 昭和29年2月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】石油製品配給規則の適用に関し、軽油に該当するものであれば、その品質のいかんを問わず、すべて同規則の適用対象となる。 第1 事案の概要:被告人が行った石油製品の取引について、当該物件が「軽油」に該当するかが争点となった。第一審では、証拠に基づき当該物件が軽油であると認定されたが、被告人側はこれが統制…
事件番号: 昭和26(あ)511 / 裁判年月日: 昭和27年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧物価統制令等における「営業」の意義に関し、営利の目的をもって有償的譲渡(販売)を反復継続する意思で行う場合には、仕入行為が反復されることは要件とならない。 第1 事案の概要:被告人が、営利の目的をもって有償的譲渡(販売行為)を反復して行った事案。弁護人は、販売行為のみならず仕入行為も反復してなさ…
事件番号: 昭和25(れ)1336 / 裁判年月日: 昭和26年4月24日 / 結論: 棄却
原判決が右の調書等のみで判示行為を被告会社の業務行為と認定したことを非難しているけれども、本人の自白には犯罪事実の全部に亘つてその補強証拠を必要とするものではない(昭和二二年(れ)第一五三号同二三年六月九日最高裁判所大法廷判決参照)から、会社の業務行為であるか否かというような犯罪の一部分について本人の自白のみでこれを認…
事件番号: 昭和29(あ)1977 / 裁判年月日: 昭和29年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法令で制限された物資の譲受けにおいて、適法な手続を経ていない事実を認識している以上、相手方が正当な配給権限を有すると誤信したとしても故意は阻却されない。 第1 事案の概要:被告人は、法令により割当公文書との引換えや主務官庁の許可がある場合にのみ認められる揮発油の譲受けについて、これら正規の手続を経…