所論米国軍票所持の事実が大赦にかからないことは、昭和二七年政令一一七号大赦令一条八三号但書で明らかである。
米国軍票所持罪は昭和二七年政令一一七号大赦令により赦免されたか
連合国占領軍財産等収受所持禁止令(昭和24年政令389号)1条,大赦令(昭和27年政令117号)1条83号但書
判旨
米国軍票の不法所持罪は、昭和27年政令117号大赦令1条83号但書の規定により、大赦の対象から除外される。
問題の所在(論点)
米国軍票所持の事実が、昭和27年政令117号大赦令による大赦の対象に含まれるか。
規範
大赦の効力が及ぶか否かは、個別の大赦令の規定に基づき判断される。昭和27年政令117号大赦令1条83号但書に明示された例外規定に該当する罪については、同令による大赦の対象とはならない。
重要事実
被告人が米国軍票を所持していた事実について、不法所持等の罪に問われた。昭和27年に公布された大赦令により、当該罪が大赦の対象となり、公訴棄却等の対象となるかが争点となった。
あてはめ
昭和27年政令117号大赦令1条83号を確認すると、特定の罪について大赦を認める一方で、その「但書」において例外規定が設けられている。米国軍票所持の事実は、この但書において明示的に除外されていることが明らかである。したがって、被告人の行為は法律上の免除を受ける根拠を欠く。
事件番号: 昭和28(あ)4078 / 裁判年月日: 昭和30年6月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】政令による大赦の対象範囲の制限は恩赦法2条に反せず有効であり、大赦の対象から除外された罪については免訴の言渡しをすることはできない。 第1 事案の概要:被告人は米国軍票所持罪に問われていたが、昭和27年政令117号1条83号本文によれば同罪は大赦の対象となり得るものであった。しかし、同号但書によっ…
結論
米国軍票所持の事実は大赦にかからない。したがって、上告を棄却すべきである。
実務上の射程
大赦令の解釈に関する極めて限定的な先例である。司法試験実務上、大赦そのものが問われる可能性は低いが、免訴事由(刑訴法337条1号)の該否を検討する際の判断プロセスの基礎として参照し得る。
事件番号: 昭和27(あ)5250 / 裁判年月日: 昭和28年4月3日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】連合国占領軍財産等収受所持禁止令違反の罪について、判決確定前に大赦令が公布された場合、刑事訴訟法337条3号に基づき免訴を言い渡すべきである。また、窃盗罪については大赦の対象外であるため、刑法235条を適用して処断する。 第1 事案の概要:被告人は、窃盗罪および連合国占領軍財産等収受所持禁止令(昭…
事件番号: 昭和26(あ)3181 / 裁判年月日: 昭和28年4月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合、裁判所は刑訴法337条3号に基づき免訴を言い渡すべきであり、確定した他の罪があるときは別途刑を定めるべきである。 第1 事案の概要:被告人は、連合国占領軍の財産であるラジオ真空管を所持したとして昭和24年政令第389号違反の罪に問われるとともに、窃盗罪でも起…
事件番号: 昭和27(あ)3583 / 裁判年月日: 昭和28年3月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】外国人登録令違反の罪は、昭和27年政令第117号大赦令1条63号に規定される大赦の対象には該当しない。 第1 事案の概要:被告人が外国人登録令違反の罪に問われた事案において、昭和27年政令第117号大赦令が施行された。被告人側は、当該違反行為が大赦の対象に含まれると主張して上告した。 第2 問題の…
事件番号: 昭和27(あ)2551 / 裁判年月日: 昭和27年11月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合、裁判所は刑訴法337条3号に基づき免訴の言渡しをしなければならない。本判決は、複数の罪が起訴された事案において、大赦の対象となった罪について免訴を認めつつ、他の罪については有罪を維持した。 第1 事案の概要:被告人は、昭和24年政令第389号違反(ポツダム宣…