判旨
外国人登録令違反の罪は、昭和27年政令第117号大赦令1条63号に規定される大赦の対象には該当しない。
問題の所在(論点)
外国人登録令違反の罪が、昭和27年政令第117号大赦令1条63号所定の大赦の対象に含まれるか。
規範
大赦の対象となる罪の範囲は、大赦令の規定により限定的に定められ、明文で指定されていない罪については、特段の事情がない限り大赦の効力は及ばない。
重要事実
被告人が外国人登録令違反の罪に問われた事案において、昭和27年政令第117号大赦令が施行された。被告人側は、当該違反行為が大赦の対象に含まれると主張して上告した。
あてはめ
昭和27年政令第117号大赦令1条の各号には大赦の対象となる罪が列挙されている。しかし、本件の外国人登録令違反の罪は、同条63号を含むいずれの規定にも該当しない。したがって、刑法上の恩赦の効力が当該罪に及ぶ法的根拠は存在しないと解される。
結論
外国人登録令違反の罪は、昭和27年政令第117号大赦令1条63号に該当せず、大赦の対象とはならないため、上告は棄却される。
実務上の射程
大赦令の適用範囲の解釈に関する極めて限定的な判例であり、明文規定の有無を重視する形式的判断を示すものである。実務上は、特定の特別法違反が恩赦の対象となるか否かの判断基準として参照される。
事件番号: 昭和28(あ)4078 / 裁判年月日: 昭和30年6月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】政令による大赦の対象範囲の制限は恩赦法2条に反せず有効であり、大赦の対象から除外された罪については免訴の言渡しをすることはできない。 第1 事案の概要:被告人は米国軍票所持罪に問われていたが、昭和27年政令117号1条83号本文によれば同罪は大赦の対象となり得るものであった。しかし、同号但書によっ…
事件番号: 昭和63(あ)683 / 裁判年月日: 平成元年11月2日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】判決確定前に大赦があった場合には、裁判所は実体審理を継続せず、刑事訴訟法に基づき免訴の言渡しをしなければならない。 第1 事案の概要:被告人に対し、下級審において有罪判決等が言い渡されたが、最高裁判所における上告審の継続中に、平成元年政令第27号による大赦が行われた事案。 第2 問題の所在(論点)…
事件番号: 昭和26(あ)3873 / 裁判年月日: 昭和29年7月19日 / 結論: 棄却
所論米国軍票所持の事実が大赦にかからないことは、昭和二七年政令一一七号大赦令一条八三号但書で明らかである。
事件番号: 昭和63(あ)1152 / 裁判年月日: 平成元年7月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令(平成元年政令第27号)の施行により、対象となる罪名(外国人登録法違反等)の公訴事実については免訴の言渡しをすべきである。 第1 事案の概要:被告人は外国人登録法違反およびその他の罪により起訴され、第一審および控訴審において有罪判決(外国人登録法違反につき罰金1万円、その余につき懲役4月)を…