判旨
共謀共同正犯の事実を判示する際、共謀の成立を認めるに足りる事実が摘示されていれば足り、共謀の具体的日時、場所、内容等を詳細に判示する必要はない。
問題の所在(論点)
共同正犯の判示において、共謀の具体的(日次・場所・態様等)な内容を摘示することが、判決に理由を付すべき要件として必要か。
規範
他人と共謀して特定の犯罪を行ったという犯罪事実を判示するにあたっては、共謀の成立という結論を導くための基礎となる具体的事実が示されていれば足り、共謀の具体的(詳細な)内容までを判示する必要はない。
重要事実
被告人は、他人と共謀して強盗を行ったとして起訴され、有罪判決を受けた。弁護人は、原判決の判示において共謀の具体的な内容が示されていないことを理由に、理由不備の違法があると主張して上告した。
あてはめ
原判決において、被告人がどのような行為を行ったかは明瞭に判示されており、被告人が他人と共謀して強盗をしたという事実は明確に認定されている。記録上、人名の誤記などは認められるものの、事実関係は特定されており、共謀の具体的態様まで詳細に記述されていなくとも、犯罪の構成要件を充足する事実は十分に示されているといえる。したがって、理由不備の違法は認められない。
結論
共謀共同正犯の判示において、共謀の具体的内容を詳細に判示する必要はなく、原判決に理由不備の違法はない。
実務上の射程
実務上、共謀共同正犯の成立を認める際には「いつ、どこで、誰と誰が、どのような犯罪を行うことを合意したか」という大枠の特定は必要だが、合意に至る詳細な経緯や密議の細部までを判示する必要はないことを示す。司法試験の答案においても、判示事項の特定として、構成要件に該当する程度の共謀の事実が示されていれば足りる旨の論拠として利用できる。
事件番号: 昭和23(れ)1677 / 裁判年月日: 昭和24年2月17日 / 結論: 棄却
一 裁判を公開したことを特に調書に明記する必要のないこと及び公判調書に公開を禁じた旨の記載のない限り公判は公開して行われたものと認むべきものであることは當裁判所の判例(昭和二二年(れ)第二一九號同二三年六月十四日大法廷判決及び同年(れ)第一〇七號同年六月二日大法廷判決)とするところである。 二 共犯者は被告人本人でない…
事件番号: 昭和22(れ)136 / 裁判年月日: 昭和22年12月16日 / 結論: 棄却
犯罪事實の一部について證據として本人の自白があるだけで他の證據がない場合でも、その自白と他の證據を綜合して、犯罪事實全體を認定することは、刑訴應急措置法第一〇條第三項の規定に違反するものではない。
事件番号: 昭和22(れ)92 / 裁判年月日: 昭和22年12月4日 / 結論: 棄却
一 連續一罪を構成すべき數多の行爲を判示するには、各個の行爲の内容を一々具體的に判示することは要しない。數多の行爲に共通した犯罪の手段方法その他の事實を具體的に判示するの外、その連續した行爲の始期終期回數等を明かにし、且つ財産上の犯罪で、被害者又は贓額に異同があるときは、被害者中或る者の氏名を表示するの外、他は員數を掲…