判旨
刑事訴訟法施行前に公訴が提起された事件において、15日以上開廷しなかった場合でも、裁判所が必要と認めない限り、公判手続を更新せずに審理を継続することは適法である。
問題の所在(論点)
旧法下で公訴提起された事件において、公判期日が15日以上中断した場合、刑事訴訟法施行規則3条3号に基づき公判手続を更新しなければならないか。また、更新を行わない判断に違法があるか。
規範
新刑事訴訟法施行前に公訴のあった事件について、開廷後引き続き15日以上開廷しなかった場合であっても、裁判所が必要と認める場合に限り公判手続を更新すれば足り、その必要性の判断は裁判所の合理的な裁量に委ねられる。
重要事実
被告人の公訴提起は旧刑事訴訟法下で行われた。原審は第3回公判の約4ヶ月後に第5回公判を開いたが、その間、第4回公判が証人不出頭により変更されるなどして15日以上の空白が生じていた。第5回公判において、裁判長は公判手続を更新せず、被告人に対し過去の供述に付加訂正があるかを確認した上で結審した。
あてはめ
原審裁判長は、第5回公判において被告人らに対しこれまでの供述内容の付加訂正の有無を問い、被告人らから特段の訂正はない旨の回答を得ている。このような審理状況に鑑みれば、原審が同規則3条3号に基づき更新の必要がないと判断したことは、裁判所の合理的な裁量の範囲内にあるといえる。したがって、手続を更新しなかったことに違法は認められない。
結論
公判手続を更新しなかった原審の手続は適法であり、上告を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟法315条が定める「公判手続の更新」の必要性に関する判断基準を示す。特に旧法からの経過措置に関する判断であるが、裁判所が被告人に弁解の機会を与える等の実質的な配慮を行っている場合には、更新の要否に関する広範な裁量を認める傾向を示すものとして、手続的妥当性の検討に際して参照し得る。
事件番号: 昭和24(れ)2293 / 裁判年月日: 昭和25年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が公判手続更新の必要がないと認めた場合には、公判期日の間隔が15日以上開いたとしても、刑事訴訟規則施行規則に基づき公判手続を更新しないことは適法である。 第1 事案の概要:被告人A、Bに係る原審(控訴審)において、昭和24年3月12日の公判期日および同年4月27日の公判期日が、それぞれ前回の…