判旨
刑事訴訟法293条に基づく検察官の論告等に関し、憲法違反を主張してもその実質が訴訟法違反にすぎない場合は、適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法293条(論告・意見陳述)に関する主張が、刑事訴訟法405条に規定される「憲法違反」という適法な上告理由に該当するか。
規範
刑事訴訟法405条の上告理由として憲法違反を主張する場合であっても、その実質が単なる訴訟法違反(本件では刑訴法293条の解釈等)の主張に帰する場合には、同条の上告理由として認められない。
重要事実
被告人側が、第一審または控訴審における検察官の論告等(刑事訴訟法293条に関連する手続)について、憲法違反を理由に上告を申し立てた事案。弁護人は憲法違反を主張したが、最高裁判所はその実質を検討した。
あてはめ
弁護人は憲法違反を主張するが、その実質は刑訴法293条に対する独自の見解に基づく訴訟法違反の主張にすぎない。また、記録を精査しても刑訴法411条(判決の破棄)を適用すべき顕著な事由も認められないため、上告は適法な理由を欠くものと判断される。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
上告趣意書において憲法違反を形式的に主張しても、その実体が下位規範である刑事訴訟法の解釈ミスや手続違背の指摘にとどまる場合は、上告理由としての適格性を欠くという実務上の判断枠組みを示すものである。
事件番号: 昭和25(あ)553 / 裁判年月日: 昭和25年12月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】実質的に量刑不当を主張するにすぎない上告理由は、違憲の語を用いていても適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人が、原審の量刑が不当であるとして上告を申し立てた事案。弁護人は、上告趣旨において「違憲」という用語を使用していたが、その主張の内容は、原審が適法に行った量刑が重すぎるなど、…