判旨
実質的に量刑不当を主張するにすぎない上告理由は、違憲の語を用いていても適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
量刑不当を実質的な内容とする主張に対し、形式的に「違憲」の用語を用いた場合、刑事訴訟法上の適法な上告理由として認められるか。
規範
憲法違反を主張する上告理由であっても、その実質が原審の適法な量刑に対する不服(量刑不当)の主張にすぎない場合には、刑事訴訟法上の適法な上告理由とは認められない。
重要事実
上告人が、原審の量刑が不当であるとして上告を申し立てた事案。弁護人は、上告趣旨において「違憲」という用語を使用していたが、その主張の内容は、原審が適法に行った量刑が重すぎるなど、裁量権の行使に関する不満を述べるものであった。
あてはめ
本件の上告理由は、違憲の語を使用してはいるものの、その実質を検討すれば原審の適法な量刑に対する不当性を主張するにとどまっている。形式的な表現にかかわらず、実質的に量刑判断の妥当性を争うものは、法律上の上告理由(憲法違反等)に該当しない。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、刑事訴訟法408条に基づき棄却される。
実務上の射程
形式的に違憲を主張しても、内容が量刑不当であれば門前払い(書面審理による棄却)となることを示した判例である。司法試験においては、上告理由の適否を論じる際や、上告審の構造を理解するための基礎知識として機能する。実質的な主張内容によって上告の適法性が決まるという原則を確認するものである。
事件番号: 昭和25(あ)3382 / 裁判年月日: 昭和26年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法13条の精神に反するとの主張であっても、その実質が量刑不当の主張にすぎない場合は、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原判決が憲法13条の精神に反し不当である旨を主張して上告を申し立てた事案。なお、当該憲法違反の主張は、原審(控訴審)において控訴趣意として主…