本件強姦は、所論六名の者の通謀行爲であることは、原判決舉示の證據である原審公判廷における右六名の供述として、一人が姦淫している間他の者等はそれぞれ被害者の手足を押えた上、順次全員において輪姦した旨の供述によつて寔に明らかなところである。しからば本件強姦致傷の結果については、右六名中の何人がこれを與へたかについては明確でなくても、所謂結果的加重犯である。強姦致傷罪においては右六名の全員が等しく共同正犯としての責を兔れないものと云うべきである。
共謀による輪姦行爲と強姦致傷の結果に對する共犯者全員の罪責
刑法60條,刑法181條
判旨
共犯者のうち誰が傷害の結果を発生させたか不明な場合であっても、強姦致傷罪という結果的加重犯においては、共謀の上で犯行に及んだ全員が共同正犯としての責任を負う。
問題の所在(論点)
結果的加重犯において、致傷の結果を招いた実行行為者が特定できない場合、共謀に参加した全員を共同正犯として処罰できるか。
規範
結果的加重犯の共同正犯が成立するためには、基本行為についての共謀及び共同実行が認められれば足りる。重い結果(致死傷)が共犯者のうち誰の行為によって発生したかが特定できない場合であっても、基本行為を共同して行った全員がその結果についての刑事責任を免れない。
重要事実
被告人A及びBを含む6名の者は、互いに通謀の上、被害者に対して強姦に及んだ。犯行態様は、1名が姦淫している間、他の者が被害者の手足をそれぞれ押さえ、順次全員で輪姦するというものであった。この過程で被害者は負傷したが、6名のうち具体的に誰の行為によって傷害の結果が生じたかは明確ではなかった。
あてはめ
本件において、6名の者は被害者の手足を押さえ順次輪姦するという明確な通謀に基づき、強姦という基本行為を共同して実行している。強姦致傷罪は結果的加重犯であり、基本行為である強姦について共同実行が認められる以上、その過程で生じた致傷の結果についても、実行行為者の特定の有無にかかわらず共同正犯の理が及ぶ。したがって、誰が直接の傷を負わせたか不明であっても、共謀に関与し実行を分担した全員が強姦致傷罪の責を負うべきである。
結論
被告人ら全員に強姦致傷罪の共同正犯が成立する。
実務上の射程
結果的加重犯(傷害致死罪や強盗致死傷罪等)全般に妥当する。答案上は、一部の者に加重結果の発生について直接の寄与が認められない場合や、実行行為者が特定できない場面で、共謀関係と基本行為の共同実行を認定した上で、本判例を根拠に結論を導くために用いる。
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